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【JTB海外駐在員コラム】ドイツ編②~ドイツの今~ 「インダストリー4.0」

JTBグループが国内外の独自のパートナーシップの構築により日本企業の海外進出をサポートするラピタでは、
JTBの海外支店とのネットワークを活用し、海外進出をサポートいたします。海外に駐在するJTBの若手社員によるコラムをご提供します。

前回に続き、ドイツ(フランクフルト)から、現地の生情報をお伝えします。(前回のドイツ編①はこちらから:ドイツ編①~先入観の向こう側、ドイツの今~「仕事観と休暇法」「サービス砂漠」

今、最もホットなトピック?モノ作りの進化型とは

 今、ドイツが国を挙げて取り組んでいる事業をご紹介します。

「インダストリー4.0」直訳すると「第4次産業革命」といわれる分野に連邦政府をはじめ、州政府、産業界、学界が総力を挙げて取り組んでいます。インダストリー4.0では、工業をデジタル化することによりこれまでの既成製品の大量生産から、オーダーメイドの製品を大量生産する時と同じコストでモノが作れるようになる、すなわち「マスカスタマイゼージョン」を可能にするスマート工場を主役とする新しい産業のかたちのことをいいます。既にビッグデータを用いて広告などがネット上で個々人にカスタマイズされている仕組みを活用する米国のグーグルやアマゾンに対抗し、GDPに占める製造業の比率が約24%もあるモノ作り大国が生き残りを掛けて臨むこの計画ですが、現時点では未だドイツ人にさえあまり浸透していないように感じています。ましてやフランクフルトの中心街にあるオフィスでさえ光ケーブルが通っていないという、ヨーロッパの中でもIT後進国のドイツがこのプロジェクトをどう推進していくのか目が離せません。

 少子高齢化による労働力不足、逆に工業をデジタル化することによる雇用市場への影響、インターネットやスマートフォンの急速な普及に伴うプライバシーやセキュリティ侵害の恐れなど課題は山積みですが、これらは日本が抱える課題と非常に似通っているともいえます。ドイツが国を挙げて国富を維持しようとしている中で、日本はこれに続くもしくは対抗して世界で戦える競争力とは何なのかを今一度思案すべき時がきているのかもしれません。

 ドイツに滞在してまだ半年くらいですが、私が現地で見聞きし、感じたことをご紹介させていただきました。

機会がございましたら是非ドイツにお越しいただき、これから始まろうとしている新しい風を感じてみて下さい。

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