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【セミナーレポート】ムスリム・インバウンド・セミナー(札幌)簡易報告書

報告者:JTBムスリム・インバウンド・マーケティング・プロジェクト 推進担当 石毛照栄
((株)JTBコーポレートセールス 新宿第五事業部 グローバルビジネス推進課 営業企画マネージャー)

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日本政府観光局(JNTO)によると、2015年の外国人客数は、前年同期比47.1%増の19,737,400人(推定値含)で、
45年ぶりに日本人出国人数を上回りました。 中国・韓国・台湾からの旅行者が目立ちますが、マレーシア&インドネシア
は観光ビザ要件緩和、LCC含む航空路線の充実さ、また親日国という背景から前年比で120-130%(推定値含)で増加
しており今後ポテンシャルがある市場です。 マレーシアの約6割、インドネシアの約9割のムスリム(イスラム教徒)ですので
旅行者受け入れ側は宗教や文化を理解する必要があります。

そこで、株式会社ジェイティービーは北海道経済産業局と共催にて2016年3月7日(月)「ムスリム・インバウンド・セミナー
~訪日ムスリム旅行客の課題と、受け入れ側に求める対応~ 」を、2017年2月に冬季アジア大会を控える札幌市にて
実施しました。

観光産業従事者を対象としたこのセミナーは想定を超える約180名の実来場者数となり、北海道におけるムスリムイン
バウンドへの関心・期待が高いことわかります。 セミナー概要並びにアンケート結果を共有致します。


【開催概要】
日時:  2016年3月7日 月曜日 13:30-16:00
主催:  株式会社ジェイティービー
   JTBムスリム・インバウンド・マーケティング・プロジェクトチーム*
   *(株)ジェイティビー、(株)JTBコーポレートセールス、(株)JTB総合研究所
対象:  観光産業従事者、150名 (実際の参加人数179名)
共催:  経済産業省北海道経済産業局
後援:  国土交通省北海道運輸局、北海道、札幌市、札幌商工会議所
   日本貿易振興機構(JETRO) 北海道貿易情報センター
   公益財団法人北海道観光振興機構
   公益財団法人第8回札幌アジア冬季競技大会組織委員会
   一般社団法人北海道食産業総合振興機構、株式会社北洋銀行(順不同)
協賛:  よつ葉乳業株式会社、株式会社スムース、ソントンホールディングス株式会社、
   井村屋シーズニング株式会社、和弘食品株式会社、西山製麺株式会社、みれい菓合同会社
   株式会社サトー、日本食品製造合資会社、東香産業株式会社、株式会社二宮、時田工業株式会社
   料理仕出し株式会社大丸、株式会社ホクビー、ヤマサ醤油株式会社札幌支店、
   夏川創房株式会社(ラーメン寶龍)、凸版印刷株式会社北海道事業部、北海道テレビ放送株式会社 (順不同)


「ムスリム・インバウンド・セミナー (札幌)~訪日ムスリム旅行客の課題と、受け入れ側に求める対応~ 」
講演1: ムスリム・ハラールの基礎を学ぶ
   非営利活動法人日本ハラール協会 理事 四辻英明 氏
講演2: ムスリム旅行市場規模と訪日市場へのインパクト
   JTBムスリム・インバウンド・マーケティング・プロジェクト 國谷裕紀
講演3: 訪日ムスリム旅行客の課題と、対応の方向性
   JTBムスリム・インバウンド・マーケティング・プロジェクト 石毛照栄
講演4: ムスリム市場開拓への取り組み
   よつ葉乳業株式会社 営業統括部営業グループ 係長 斧克己 氏
   経営企画室 係長 松山隆平 氏
   株式会社スムース 代表取締役 ハラール焼肉晃代表 高橋晃弘 氏 


講演1: ムスリム・ハラールの基礎を学ぶ
非営利活動法人日本ハラール協会 理事 四辻英明 氏
・ ムスリム旅行者受け入れる前にイスラーム、ハラールについての基礎知識を得ておく必要がある。
・ インバウンドにおいて必ずしもハラール認証は必要ではない、工夫次第で受け入れ可能になる。

講演2: ムスリム旅行市場規模と訪日市場へのインパクト
JTBムスリム・インバウンド・マーケティング・プロジェクト 
株式会社JTB総合研究所 コンサルティング事業部コンサルティング第二部 研究員 國谷 裕紀
・ イスラーム諸国は高いGDP成長率、ムスリム旅行者が期待できるインドネシアは2030年には世界10位
  まで成長すると推計される。
・ 著しい成長をしたタイ訪日旅行市場からみるインドネシアの潜在力とは。

講演3: 訪日ムスリム旅行客の課題と、対応の方向性
JTBムスリム・インバウンド・マーケティング・プロジェクト 推進担当
株式会社JTBコーポレートセールス 
新宿第五事業部 グローバルビジネス課 営業企画マネージャー 石毛 照栄
・ JTB独自調査:ムスリム旅行者調査から見る動向と課題の共有。
・ 課題に対する取組方法を先行事例を通じて紹介。
・ ムスリム旅行者受け入れ対応の方向性とは。

講演4: ムスリム市場開拓への取り組み
① よつ葉乳業株式会社  営業統括部営業グループ 係長  斧克己 氏
  経営企画室 係長  松山隆平 氏
② 株式会社スムース 代表取締役 ハラール焼肉晃代表 高橋晃弘 氏

※セミナー講演3: JTBムスリム・インンバウンド・マーケティング・プロジェクトの独自調査「ムスリム旅行者動向調査」の一部を下記で紹介しています。
訪日ムスリム旅行客の課題と、求められる対応とは ~ムスリム・インバウンド・セミナー(札幌)~


【参加者アンケート結果】回答者:75名/179名(実参加者人数)
・ 専門家による講演1~3は、参考になった&やや参考になったが90%と高い評価を得ることができました。
   (参考になった:62%)
   自由記入による参考・印象に残った点について 「ムスリムインバウンド、マレーシア&インドネシア旅行市場の
   ポテンシャルに期待」「なぜハラール対応が必要なのかという背景を理解できた」「ムスリムインバウンドにおいて
   必ずしも認証は必要ないこと」「判断はムスリム各自がすべき」「判断材料としての情報開示の必要性」「ハラールは
   ムスリムだけへの対応ではない」などのコメントがあります。
・ また、講演を通じて前向きになれた&ややなれたと回答したのは72%(なれた:37%)と参加者が前向きに取り組む
   姿勢が見られます。
・ しかし、参加者自身が「市場調査が不十分」、「顧客・流通販路に不安」、「新たな設備投資が難しい」との理由から
   今後の目標設定については、どちらともいえない&できないとの回答を51%と半数を超えます。
  (どちらともいえない:48%)
・ 今後、受け入れ体制の強化に向けての支援要望について伺ったところ「自治体&企業との連携」「設備投資への
   金銭補助」「受け入れ知識向上の為の教育(セミナー等)」との回答が目立ちます。

アンケート結果を踏まえ、JTBムスリム・インバウンド・マーケティング・プロジェクトチームは、BtoBtoCの観点でムスリム・
インバウンド・ビジネスを目指す企業・地域のそれぞれの課題抽出とビジネス戦略などを一緒に行い、拡大を続ける
イスラーム諸国からの訪日ムスリム旅行者の受入体制整備及び大都市圏から地方への導線を構築する為、異種業間
による連携を強化しつつ、さらなる送客拡大を目的に支援活動を行って参ります。

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