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【ブラジルコラム】人気高まるラーメン店(酒井 芳彦)

 外国人が日本に旅行して楽しむ目的は、約60パーセントの人が日本食に興味を抱き、堪能して帰ると言う調査レポートがある。

 世界でラーメン専門店は1,000軒を超えると言われているが、パリ、ニューヨーク、ロス、バンコックなどに次ぎブラジル・サンパウロ市に於いてもラーメン専門店が増え始めている。サンパウロ市には、和食店が600~700軒と言われ、そこの店のメニューにも
ラーメン、餃子などラーメン類のサービスを提供している店があるので、具体的にラーメンサービス総数店を数えるのは難しい状況である。

 そもそもラーメンが好まれる素地として、塩分、味噌を多く摂取する地域は日本でも、ラーメン店が多い証しだが、ブラジル人の嗜好としては、1.イタリアンパスタなど良く食べなれている、パスタが好きである 2.スープ食文化が浸透している 3.味付けの嗜好は塩辛いのが好き 4.気楽に、気取る事なく店に入れる、他物価と比較しても安い 5.50年近く現地では即席麺が販売されておりラーメンの食べ方に慣れている、軽食としてsopa com macarrao (麺入りスープ)のコンセプトを理解し易い,と言う解析が出来る。

 ラーメンの美味さは、8割方がスープで、残り2割は麺の触感、小麦粉の品質、茹で方ではなかろうか?スープを如何に美味しく作るかがポイントとなる。

 昔のラーメンは、現地の醤油を使い日系人がふすまの入った小麦粉・かん水で作った麺をベースとしたラーメンで、日本のラーメンの味を知る日本人には、最低の評価しか得られなかったが最近は、輸入自由化の流れの中、より品質の高い外国産醤油、味噌、スープの素など現地で購入する事が可能となったので、ラーメンの美味さは日本に匹敵するレベルになっている。

 サンパウロには、日本の外食チェーンの展開があるが、未だラーメンチェーンの展開はない。
多くの店は、日系人、或いは日系企業の脱サラの人がラーメン店を経営しているが、昨今のラーメンブームで、どこの店も立ち並んで順番を待つ。人気の上昇が年々右肩上がりである。

 ラーメンを作る為の食材は豊富で、安い。豚肉、鶏肉、だしの素、うまみ調味料も現地産である。日本から直輸入したスープの素、麺を利用している店もあるが、少し割高であるが日本そのものの美味しいラーメンを味わう事が出来る。世の中便利になったものだ。

 醤油、味噌、塩、ワカメ味ラーメン、冷やし中華、餃子など、メニューは多数でありトッピングも自由に選択出来る。
世界各地でラーメンの普及が進んでいるが、国民食から世界グローバルメニューへ変貌する中、小規模の資金と設備投資、料理講習にはそれほど時間がかからないラーメン事業であるので、腕と体力に自信のある方は、まだまだ開発段階のブラジルへの進出をお奨めしたい。

 ブラジルの即席麺の年間消費量は、国民一人当たり10食、日本50食を比較検討すればまだまだ伸びる大きな市場と言えるのではないだろうか。


sakai.pngLAPITA専任アドバイザー
酒井 芳彦
(前 味の素株式会社中南米本部長・理事)

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