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【ブラジルコラム】世界に拡がる和食(酒井 芳彦)

 世界的に拡がっている和食ブームの中、フランスの美食、地中海料理のイタリア、スペイン料理、そして伝統料理のメキシコ料理などのユネスコ無形文化遺産登録に続き、文化庁を中心に日本人の伝統的な和食・食文化をこの無形文化遺産に登録すべくユネスコの国連教育科学文化機関の政府間委員会に登録申請をし、12月4日韓国のキムチ漬けの風習「キムジャン」と共にアゼルバイジャンで開催された同委員会で登録決定された。更なる「和食」の世界への拡がりであり、伝統的な食文化を我々は誇りとする事が出来る。

 この2年以上に亘りLAPITA事業として中小企業・零細企業の海外進出の支援をして来ているが、その一環事業として和食・日本食文化の普及活動も併せて企画実施している。

 今年6月に農林水産省の「日本食・食文化の世界的普及プロジェクト」に認定され、日本政府の支援を得て、初めて海外での「食品展」に出展し成功を収めている。

 先ず新興国(BRICS)の先頭文字であるブラジル・サンパウロ市で9月17日から20日の4日間アニェンビーパビリオンで開催されたALIMENTARIA BRASIL(食品展)への出展で、日本食、お茶、日本酒を中心とした試食、試飲、セミナーを実施し大成功を収めた。ご周知の通りブラジル共和国は日系移住者が約150万人、サンパウロ市を中心に、日本食レストランは700~800店と言われている日本食ブーム国の一つである。

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  和食を啓蒙・宣伝すべくブラジル大手の新聞社(エスタード・デ・サンパウロ新聞)が食品展開催前に、日本食の「うま味」を中心に日刊全紙5ページに亘り記事を発信していたので、会場に詰めかけた来場者は知識豊富で、関心を抱き出展物のサンプル享受、セミナー、各デモンストレーションに参加し熱心に耳を傾けていた。

 ブラジルの食品展に引き続き、LAPITAは11月21日ロシア・モスクワでJAPAN EXPO IN RUSSIA 2013に中小企業庁の支援を活用し日本食・清酒の啓蒙を図るべく商談・試飲会を開催。ロシアでも日本食ブームとなっている中、今回の機会は、今後更にロシア人はもとより欧州各国への日本食・清酒の普及に拍車がかかる事であろう。
 
 世界は目まぐるしいスピードと情報の錯綜で我々が日頃疎遠な国で日本食の普及と消費が自然に拡って来ている。「うま味」をベースとした和食の持つ美味しさ、清潔さ、美しさ、素材の持つ栄養性などの点が高く評価され世界的に健康嗜好が高まる中、今後更に和食が世界各地に普及する事を信じている。
 「美味しく食べて健康作り」は人間の本望であろう。




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LAPITA専任アドバイザー
酒井 芳彦
(前 味の素株式会社中南米本部長・理事)

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