東京洋傘の伝統技術と
職人の美意識にふれる
世界にひとつだけの晴雨兼用
折りたたみ傘製作体験

東京洋傘

株式会社モンブラン

体験の概要

東京・墨田区太平にある「株式会社モンブラン」では、オリジナルの晴雨兼用折りたたみ傘を製作する体験ができます。予約時に、モスグリーン、ピンク、黄、青、グレーの5色から表地の色を選択。イチから作るのはとても大変ですが、選んだ生地で職人があらかじめ8割ほどまで仕立てくれるので、体験当日は露先(親骨の先端部分)やダボ(親骨と受け骨を繋ぐ関節部分)を縫い付けていき、傘の柄を取り付ければ完成。好みの色の糸でイニシャルを刺繍してくれるのもポイントです。近年は猛暑が続き、男女ともに熱中症対策や日焼け防止のために日傘を使う人も増えています。繊細で確かな職人技にふれながら、雨の日も晴れの日も活躍してくれる、自分だけの折りたたみ傘を仕上げてみましょう。

体験の特徴

・熟練の傘職人の丁寧な指導を受けながら、洋傘づくりの一部を体験できる
・東京洋傘の歴史や特徴について、作業を進めながら解説。ものづくりに向き合えるよう、体験時間をたっぷり確保
・晴雨兼用なので完成した日から使うことができ、表地と同色の傘袋も付く

体験の詳細

美しいフォルムを生み出す東京洋傘の伝統技術と工夫

1854(安政元)年のペリー来航を機に日本で知られるようになった洋傘は、文明開化とともに広まり、1872(明治5)年頃から東京で本格的な国産化が始まりました。以来、骨や生地、手元(傘の柄)など、それぞれを専門とする職人による分業が発達し、東京ならではの洋傘づくりが受け継がれていきました。
東京洋傘の魅力は、傘を開いたときの均整のとれたフォルムと、細部にまで行き届いた仕事です。生地を三角形のパーツに裁断し、頂点側から縫い合わせる「関東縫い」をはじめ、ダボと生地の摩擦を防ぐ「ダボ包み」、開閉時に指を挟まないようロクロ(傘の開閉時にスライドさせる部分)を生地で包む「ロクロ包み」など、安全で使い心地を高める工夫が随所に凝縮されています。また、生地に絹、綿、麻などの天然繊維を用いるのも特徴のひとつです。
今回の体験では、こうした東京洋傘の工程の一部の生地と露先、ダボを縫い付ける作業に挑戦します。

職人技と意匠を追求するモンブランの傘づくり

モンブランの前身は、初代・山口政広氏が昭和初頭に始めた山口商店。1960(昭和35)年に法人化して株式会社モンブランとなり、東京洋傘を中心に、骨組み、生地の裁断、縫製、仕上げまで、熟練の職人が一貫して手がけています。長年培ってきた技術を生かし、品質はもちろん、デザイン性にもこだわった洋傘を製造・販売しています。
なかでも特徴的なのが、日本の伝統的な機織技術「ほぐし織り」を用いた生地です。経糸を粗く織った状態で染め、いったんほどいてから本来の織りに戻す技法で、染めによる色の濃淡やにじみが生まれ、織り上がりに独特の奥行きと柔らかな表情をもたらします。
さらに、傘を開いたときに模様がずれないよう、生地の裁断や縫製を工夫。親骨のカーブによって生まれる立体感まで計算し、絵柄や模様をデザインしているといいます。また、折りたたみ傘は伸縮する中棒(傘の中心に位置する棒)を長めに設計しているため、開いたときは長傘と同じような美しいシルエットになるのも、モンブランならではの魅力です。

ひと針ずつ仕立てる、自分だけの折りたたみ傘

体験では、まず予約時に表地をモスグリーン、ピンク、黄、青、グレーの5色から好みのものを選びます(裏地は黒色のみ)。体験当日は、職人が9カ所ほど縫い付ければ完成する状態まで仕立てたものを用意してくれているので、普段使いのできる折りたたみ傘の製作体験が気軽に楽しめます。

最初に刺繍するイニシャルを3種類の書体と約10色の糸から選び、傘の柄も2種類から選んだあと、いよいよ縫製へ。針に糸を通して、2本の糸を手のひらで撚って1本にしたら、糸がほつれないように結び目を作ります。そして露先と生地を縫い合わせていきます。

きれいに仕上げるポイントは、結び目を縫い目の中に隠すことと、生地に適度な張りを持たせるため、引っぱりながら針を進めること。普段の裁縫とはひと味違う、傘ならではの作業に職人技の細やかさを実感します。

露先を付け終えたら傘を開き、今度はダボと生地を縫い付けて固定。裏地が黒色のため、ここでは黒い糸を使います。ダボを少し浮かせて穴に針を通し、縫い付ける作業を3回ほど繰り返します。
生地は厚みがありしっかりしているうえ、遮光加工も施されているため、狙った位置に針を通すのはなかなか難しく力もいります。生地に針を刺すと穴が残ってしまうため、慎重に手を動かしましょう。

イニシャルを添えて、オリジナルの1本が完成

すべての縫い付けを終えたら、イニシャルを入れる位置を指定。刺繍用のミシンで職人にイニシャルを入れてもらいます。最後に傘の柄と中棒を取り付ければ、晴雨兼用折りたたみ傘の完成です。

作業の合間には、職人から東京洋傘の歴史や特徴、日傘文化についての解説も。完成後は傘を開き、開閉の動作や生地の汚れ、歪みなどを確認します。
その後、職人がアイロンをかけ、折りたたむための折り目を付けます。この折り目が形状記憶されるため、使用後は折り目に沿ってきちんとたたむことが長持ちの秘訣。濡れた場合は、陰干ししてから収納するのがおすすめだそうです。

暮らしに寄り添い、長く愛用したい晴雨兼用折りたたみ傘

均整のとれた美しい形、細やかな縫製、使い心地への配慮。東京洋傘には、長年受け継がれてきた職人の技と、暮らしのなかで長く使ってもらいたいという想いが込められています。「職人がひと針ひと針、丁寧につくった傘は、修理を重ねながら大切に使えば、長い間愛用できます。今回の体験を通して、傘を大切に使おうという気持ちが芽生えてもらえたらうれしいですね」と取締役・山口君枝氏。
近年の猛暑の影響もあり、日傘の需要が高まっています。傘も装いを彩るファッションアイテムのひとつ。雨の日だけでなく、晴れた日にもお気に入りの1本を手に、街歩きを楽しんでみてはいかがでしょうか。

株式会社モンブラン 東京都墨田区太平2-19-1 佐藤マンション1階

14歳で傘作りの世界に入った初代・山口政広氏が、19歳で独立。ほぐし織りを用いたオリジナルデザインの傘を作りたいという思いから、昭和初頭に山口商店を創業する。1960(昭和35)年に法人化し、株式会社モンブランを設立する。女性向けを中心に、全工程を手作業で行う洋傘を製造・販売。生地に独特の風合いが美しい「ほぐし織り」を使用した洋傘は、国内外から高い評価を受ける。

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