江戸文化を伝える130年の伝統技術。
透き通るグラスを飾る江戸切子を体験

江戸切子

株式会社浅草おじま

体験の概要

東京都台東区「浅草おじま」にて、ご自身がデザインするオリジナルの江戸切子製作を体験できるプランです。創業から130年以上、大切に受け継がれてきたおじまの技術。2002年には経済産業大臣指定伝統工芸品にも選ばれるほど高く評価された江戸切子の伝統に触れ、ご自身のデザインに職人の技術で命を吹き込まれる体験をして下さい。

体験の特徴

ご自身がデザインした模様を、江戸切子作りの技術でグラスに刻み込む体験をしていただきます。感性の赴くままに描いた模様は、やがてグラスの表面に浮かび上がります。世界にひとつだけ、あなただけのオリジナルグラス作りを通じて、繊細かつ力強い切子作りの歴史を感じ取ってください。

体験の詳細

原点はガラス彫刻の技術。130年の時を積み重ね江戸切子作りの技法へ

江戸切子の誕生は1834年頃、天保(てんぽう)の時代に遡ります。江戸大伝馬町でビードロ屋を営んでいた町人、加賀屋久兵衛が金剛砂を用いてガラスの表面に彫刻を施したのが始まりと言われており、明治初頭にかけて現代に伝わる工芸技法が確立されていきました。

浅草おじまの創業は、世に江戸切子が広まりつつあった明治初頭。初代・尾島清次氏が東京都墨田区錦糸町で工房を立ち上げたのが始まりです。急速にガラス工芸の需要が拡大する時流に乗り事業を拡大。1990年代には二代目・信夫氏により浅草・伝法院通りに直販店を出店し、2015(平成27)年には三代目・英治氏が工房も葛飾区から浅草に移転しています。以前は卸売りを通した売買を主としていましたが、近年は直販やオーダーメイド品の作成を中心としています。

オリジナルの文様を描く江戸切子作り体験

本体験では、透明な3種のグラスのうちの1つに、ご自身がデザインするオリジナルの文様を切子の技術を用いて描いていただきます。選べるグラスはロックグラス・ビールグラス・ミニグラスの3種から。透明なグラスは切子加工がしやすく、初めて体験する方でも美しい文様を描きやすいのが特徴です。

工程の説明を受けた後は、選んだグラスに油性マジックで下絵を描きましょう。模様の形や数は自由自在。季節にちなんだ花や鳥だけでなく、お気に入りの言葉や好きなキャククターなど、お好みの柄をデザインしましょう。何を書けばいいのか思いつかなくても一安心。職人が作った作品からインスピレーションを得れば、自然と完成したグラスの姿が思い浮かぶはずです。

下絵が完成すれば、いよいよ切子細工の実践です。まずは簡単な部分でテストカット。ガラスを削る感覚を経験した後は、グラス上のマジックの線を消すように回転するホイールを当てていきましょう。グラスを削るホイールは、直接触ってもケガをしにくい安全仕様。初めての江戸切子作りでも、安心してチャレンジしていただけます。

ゆっくりとグラスに浮かび上がる図柄が胸の高鳴りを呼び起こす

上手く削るコツは「両手でグラスをしっかりと固定し、ホイールに押しつけすぎないこと」というのは、三代目の長男・太一氏。グラスとホイールが接する点を円を描くように広げることで、大小さまざまなサイズの文様を描けます。グラスが削れるシャリシャリという音が聞こえるにつれて、ゆっくりと形になっていく模様。少しずつ、少しずつグラスの上の図柄がはっきりするにつれ、胸の高鳴りが大きくなっていくはずです。

マジックの線を一通り削り終えたら、仕上げに下絵をふき取って完成です。作成にかかる時間はおよそ1時間。あなたの手で生み出した、世界にひとつだけの江戸切子は、きっとこれからの生活を彩る大切なパートナーになってくれるはずです。

伝統と向き合い続けた職人が見せる圧巻の技術に触れる

製作体験の後には、職人の手による江戸切子作りのデモンストレーションが待っています。用意された5種類の図柄の中から好みの1つを選べば、職人がその場で作り上げてくれます。実演してくれるのは、浅草おじま三代目・尾島英治氏。40年以上伝統と向き合い続けた職人が切子を施すシーンは、まさに圧巻の一言です。

完成したグラスは、ご自身の作品と一緒にお持ち帰りいただけます。帰宅後は、ぜひ2つのグラスをテーブルに並べ、体験の思い出を振り返りながらお気に入りの飲み物をお楽しみください。

季節ごとの美しさを楽しむ江戸文化の象徴

英治氏は「使っていただくのはもちろん、飾っていただくのもいい。江戸切子を通じて、東京に受け継がれる伝統があることを知ってほしい」といいます。江戸切子に描かれる花や生き物は、季節ごとの美しさを楽しむ江戸文化の象徴。ぜひ江戸切子を片手に、身近な環境の変化を楽しんではいかがでしょうか。

株式会社浅草おじま 東京都台東区浅草4-49-7

明治中盤に初代・尾島清次氏が東京都墨田区錦糸町にて創業。1990年代後半に浅草・伝法院通りに直販店を構え、20年後に工房を浅草へ移転。江戸切子作りの体験教室を通じ、広く伝統工芸の普及に尽力する。伝統的な文様から現代的なデザインまで、幅広い作品を生み出し続ける姿勢は内外からの評価が高く、江戸切子は1985年に東京都伝統工芸品、2002年に経済産業大臣指定伝統的工芸品の指定を受けている。

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