特定技能外国人を受け入れている企業と、そこで活躍する特定技能外国人の声をご紹介します。
CASE34飲食料品製造業/外食業有限会社天辺ダッシュカンパニー
明確なキャリアプランを示して「選ばれる会社」に

- 企業情報
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- 事業内容:飲食業、麺・スープの製造販売等
- 従業員数:234名
- 特定技能外国人受入れ数:14名(内訳:スリランカ3名、インドネシア5名、ベトナム2名、ミャンマー4名)
- 1号特定技能外国人:14名
※2025年12月時点
特定技能外国人を受け入れている企業と、そこで活躍する特定技能外国人の声をご紹介します。
CASE34飲食料品製造業/外食業有限会社天辺ダッシュカンパニー

人事担当部長 飯山勝也さん
当社は茨城県内でラーメン店16店舗を運営するとともに、自社店舗や他店向けに麺、スープ、具材の製造・販売を行っています。雇用している特定技能外国人14名のうち9名が外食業分野(キッチン・ホール業務全般、店舗の運営管理等)、5名が飲食料品製造業分野(材料管理、製造機械の管理、製造、梱包等)で働いています。
両分野ともに人手不足は問題なのですが、特にラーメン店は、以前よりスタッフ募集を掛けても応募が少なく、良い人材を採用するのは本当に難しいと感じていました。そしてコロナ禍以降は更に人手不足が深刻化して頭を悩ませていたところ、同業者から特定技能制度を紹介されました。しかしながら、どのような人を雇えるのか非常に不安であり、最初の採用は1人だけでした。それも半ば様子見の気持ちで雇ったのですが、その最初の1人が向上心の強いとても優秀な人材だったので、採用の継続を決めました。
現在は、特定技能外国人全員に対して、将来の幹部候補として長期的に活躍してもらうため、「まずは副店長・店長を経験し、日本語能力を更に高め、特定技能2号技能測定試験に合格し、管理職を目指して欲しい」と伝え、キャリアプランを明確に示した上で人材育成を進めています。


採用活動には人材紹介会社を利用しており、募集段階から「長期間(5年以上)働く意思がある」「特定技能2号を取得して将来管理職を目指す意思がある」「N3以上合格者」という要件を満たす人材を紹介してもらっています。採用から決定までに面接を3回行い、1回目はカジュアルな雰囲気で将来への考えなどを聞き、2回目は当社の価値観とマッチするかをポイントに選考します。3回目は、就業後に起こり得るつらいこと、例えば繁忙期にはまとまった休みを取りにくい、重い物や熱い物を運ぶ作業が頻繁にある等を丁寧に伝え、それでも働きたいという意欲のある人を採用しています。
当社では、特定技能外国人社員の管理職への登用を積極的に進め、入社から最短半年で管理職である副店長に昇格できるよう制度を整えました。すでに、入社から2年未満で副店長を務めている外国人もいます。管理職へのモチベーションを高めてもらうため、全社員共通の「カリキュラムシート」で入社1日目から副店長になるまでに必要なスキルとキャリアプランを具体的に示し、毎月の面談で個々の現状と目標を繰り返し確認しています。さらに「3年以内に特定技能2号技能測定試験合格」を特定技能外国人共通の目標とし、特定技能2号資格取得後、製造部門では昇給や昇格による待遇アップ、外食業分野では店長や幹部(部長級)を目指すことも可能だと伝えています。


生活面に関しては、心配事やトラブルがあればしっかりサポートしますが、基本的には本人の自立を尊重し、必要なときに支援する姿勢を大切にしています。一方で、入社から半年間は、毎月1回勤務扱いである「研修日」を設け、いろいろな場所に出かけて茨城や日本を知ってもらう時間をつくっています。筑波山、霞ヶ浦、牛久大仏はもちろん、東京スカイツリーや秋葉原にも行き、日本の外食サービスに触れる機会にもなっています。この研修には同時期に来日した特定技能外国人が複数参加しますので、慣れない土地で働き始めた外国人同士が横のつながりを持ち、リフレッシュできる良い時間になっています。
また、外食部門と製造部門との相互理解を深めるため、それぞれの職場を見学する機会も作っています。自分が提供しているラーメンの材料はどのように作られているのか、自分が作った食材がどのように提供されているのかをお互いに学び、勤労意欲の向上に役立てています。

当社の社員は以前から「誰でも働きやすい作業環境」をつくる改善活動に取り組んでいます。外国人の受入れを始めてからは、その「誰でも」の範囲が「外国人でも」に広がりました。ただ、実は、改善のつもりが逆効果になってしまったという失敗も経験しています。たとえば受入れ当初、「外国人には日本語よりもローマ字表記の方が分かりやすいだろう」とあらゆる日本語にローマ字のルビを付けたのですが、日本人がとても読みづらくなり、外国人にも「ひらがなの方が分かりやすい」と指摘されてしまいました。今は、マニュアルに図や写真を増やしたり、機械に二次元コードを貼って動画で使い方を確認できるようにしたり、社員による数多くの改善によって外国人はもちろん日本人の新人も学びやすい環境に変わっています。これからも外国人にフィードバックをもらいながら試行錯誤を繰り返し、環境改善を進めていきたいと考えています。

日本では今後さらに働き手が減り、特定技能外国人を採用する企業はさらに増えていくと思います。そうした時代に、意欲的に働いてくれる人材、長期的に働いてくれる人材を採用したいのなら、受け入れる側が「外国人に選ばれる企業」になることが大切です。特定技能外国人にとって、日本で働く時間はその先の人生を左右する重要な時間です。当社の場合、彼らの将来のキャリアプランを真剣に考え、それを応援する姿勢をはっきり示すことが、より良い人材の採用につながり、目先の給与以上にモチベーションを高める効果を発揮しています。労働力不足を補う“助っ人”ではなく、長く働いてくれる優秀な若手社員として特定技能外国人を捉えることが、良い人材に来てもらうポイントではないでしょうか。

シンハラ ペディゲ プラディープ クマーラ ジャヤスーリヤ(Sinhala Pedige Pradeep Kumara Jayasooriya)さん(スリランカ/外食業分野)
天辺ダッシュカンパニーが運営する店舗で、副店長を務めています。日本に来たのは、仕送りをして家族を支えるためです。多くのスリランカ人はアラブ諸国や韓国で働きますが、私は日本人の仕事の仕方を学びたいと考え、2024年から特定技能外国人として日本で働くことを選びました。
この会社で働き始めた頃は、日本人の仕事のスピードについていくのに苦労しました。
そこで、まず周りの人のやり方をよく観察して、それを自分のやりやすい方法にアレンジし、繰り返し練習してスピードを上げていきました。仕事を通して、たとえば5S(整理、整頓、清掃、清潔、しつけ)やごみの分別など、日本の行動習慣や文化も学べたことは、とても良かったです。自分が副店長になると知らされた時はとても驚きましたが、仕事も日本語の勉強ももっと頑張ろうと、やる気が出ました。今は特定技能2号技能測定試験と日本語能力試験N2の合格を目指して勉強中です。日本語は“絡まった糸玉”みたいに複雑で難しいのですが、毎日少しずつ勉強しています。
スリランカにいる母とはビデオ通話で毎日話しています。母が聞くのはいつも「仕事は終わった?」と「ご飯食べた?」。毎日のことなので、20~30秒くらいで会話が終わってしまうんです。仕事の後は、月に3、4回、天辺ダッシュカンパニー以外の店にラーメンを食べに行きます。どの店もおいしいのですが、毎回「うちのお店のラーメンはもっとおいしい!」と感じます。
これからの目標は、まず特定技能2号技能測定試験に合格し、次に日本語能力試験N2、N1に合格することです。そして仕事の幅を広げ、この会社で店長や部長になりたいです。
イブヌ ショレー(Ibnu Sholeh)さん(インドネシア/飲食料品製造業分野)
2024年から特定技能外国人として、製麺工場に勤務し、麺の生地作りに必要な粉やかん水の準備、機械の管理、人員管理などの業務を担当しています。
幼い頃から日本文化に興味があり、ずっと日本で働きたいと思っていたので、インドネシアの日本語学校で日本語を学び、来日しました。天辺ダッシュカンパニーを選んだのは、この会社が特定技能2号の資格取得を応援してくれること、インターネットで茨城県を調べて涼しくて美しい場所だったことが大きな理由です。
入社が決まってから働き始めるまでの間に研修があり、仕事で使う機械や器具の名前や使い方を、写真と簡単な日本語の資料を使って勉強しました。研修期間中は「自分でやってみないと難しいな」と思っていたのですが、実際に働き始めると、研修で使い方を覚えた機械でスムーズに作業を進められたので、学んでおいてよかったと実感しました。職場の人たちにもいろいろなことを教えてもらい、今は日本語スキルを向上させながらチームで働けることに仕事のやりがいを感じています。
現在、特定技能2号技能測定試験に向けた勉強も頑張っています。テキストを提供してくれたり、勉強の仕方を教えてくれたり、合格に向けて会社はいろいろな応援をしてくれます。これからも日本で生活し、さらにキャリアを積み重ねていきたいです。
事業者様向け相談窓⼝03-6630-8179
外国⼈材の皆様向け相談窓⼝ 03-6628-8605