特定技能外国人を受け入れている企業と、そこで活躍する特定技能外国人の声をご紹介します。
CASE29飲食料品製造業株式会社紀ノ國屋
ファミリーとして長く一緒に働いてくれる人材を育てたい

- 企業情報
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- 事業内容:スーパーマーケット、食料品専門店の運営、食品製造、卸売販売
- 従業員数:1,543名(2024年4月1日現在)
- 1号特定技能外国人受入れ数:2名(内訳:ベトナム2名)
※2024年12月時点
特定技能外国人を受け入れている企業と、そこで活躍する特定技能外国人の声をご紹介します。
CASE29飲食料品製造業株式会社紀ノ國屋
現在、2名の特定技能外国人が、製造部で洋菓子の製造業務に就いています。当社の看板商品であるカスタードプリンの充填から焼成までの一連の作業と、モンブランの絞りなどデザートの仕上げ作業を中心に、商品出荷に至る仕分け作業も担当してもらっています。あわせて、パートの新人や派遣社員へ作業を教えることも任せています。
2人とも手先が器用で、仕事の覚えが早く、技能も人柄も工場内で高く評価されています。仕分け作業では、出荷明細を見て正確に仕分けをする必要がありますが、送り先の日本語表記を自発的に覚えてくれるなど、しっかりした働きぶりにいつも感心しています。当社ではクリームパンやあんパンの「あん」を手作業で包んでいるのですが、以前この2人がパン製造を担当していた時には、配属されて1か月も経たないうちに周囲と同じレベルできれいに包めるようになり、驚きました。その器用さを生かして、近いうちに、ケーキにクリームを均一に塗るナッペ作業、ロールケーキを巻く作業など、一部の社員しかできない繊細な作業も習得させようと思っています。
また、2人とも、後輩に当たる技能実習生たちのサポートにとても協力的です。当社には19名の技能実習生がいるのですが、特定技能外国人の2人が日本人社員との間に立って通訳をしてくれることも多く、技能実習生が増えてもスムーズに受入れを進めることができました。本当に頼りになる存在です。
当社は2019年、社内活性化への期待から外国人材の受入れを始めました。当社の工場は東京都内の住宅地にあり、幸いこれまで従業員の採用に困ることはありませんでした。一方で、中高年のベテラン従業員が多く、人材の固定化が進み、工場内に閉塞感が生まれていました。また、将来的な労働力不足を見越した対策の必要性も感じていました。
そうした状況の中、「労働意欲にあふれる若い技能実習生を受け入れて、現場が活性化した」という他社の事例を耳にし、会社に新しい風を吹かせてくれるのではないかと考え、技能実習生の受入れをスタートさせました。その時受け入れた最初の技能実習生が、現在特定技能外国人として働いている2人です。
外国人材の受入れ以降、工場の雰囲気は大きく変わりました。空気が本当に明るくなり、休憩中は楽しそうに話す声があちこちで聞こえます。また、外国人材には、作業をしっかり言葉で説明した上でやってみせる必要があるため、その教え方が日本人の新人への指導にも波及し、現場でのコミュニケーションが増えているように思います。交流を深めるため、社内イベントとしてバーベキューや「お疲れ様会」を開いているのですが、そこでも工場で調理を担当している社員がベトナム料理を作って振る舞い、とても盛り上がりました。外国人材の受入れを通して、これまでにないさまざまな変化が起きていると実感しています。
外国人材の採用にあたっては、事業組織のチームビルディングを見据えた人選に努め、礼儀正しさ、協調性、物事に一生懸命に取り組む姿勢を重視しています。面接や実技試験では、どうしても自己PRが上手な人、素早く作業する人が目立つのですが、そういう人だけでは職場がうまく回りません。チームとして成果を挙げる組織づくりを意識し、リーダーシップのある人、フォロワーシップにあふれた人、目立たなくても実直に仕事をする人など多様な人材をバランス良く採用しています。
採用後の生活面では、会社に活力を与える人材としてストレスなく働き続けてもらうため、プライベートに配慮し、住居は1人1部屋を基本としています。外国人材と日本人の担当社員でSNSのグループを作り、体調不良や住居内のトラブルなどがあればすぐに連絡が取れる体制も整えました。さらに、新たにベトナム語の通訳者を社員として採用し、サポートを強化していく予定です。
特定技能外国人の2人には、特定技能2号の在留資格取得も視野に、製造の専門技術とビジネススキルを高めてほしいと考えています。また、技能実習生には、いずれ特定技能として長く働き続けてくれることを期待しています。今はまだ構想段階ですが、将来的にアジアマーケットでの事業展開も検討しており、もしベトナムで事業を推進する際には、当社で特定技能外国人として経験を積んだみなさんに現地で活躍してもらいたいです。外国人材を単に労働力としてではなく、当社と仕事をしてくれる「ファミリー」ととらえ、長いスパンで一緒に働けるような環境をつくっていきたいです。
グエン ティ ヴィ(NGUYEN THI VUI)さん /ベトナム
日本人のみなさんはとてもやさしく、作業で少しでも困ったことがあると、私が質問する前に「大丈夫?」と声を掛けてくれました。とても働きやすい職場ですし、ケーキやデザートは作るのも食べるのも好きなので、毎日仕事が楽しいです。夢はベトナムでケーキ店を開くこと。そのために、ここでもっとさまざまな技術を身に付けたいです。
ヴー ミン トゥー(VU MINH THU)さん /ベトナム
日本人の真面目な働き方を学んで経験を積みたいと思い、日本で働くことを選びました。漢字の勉強には苦労していますが新しい作業や言葉を覚えて、できることが増えていくのが楽しいです。ケーキ作りの難しい作業も早くできるようになりたいです。将来ベトナムでパン屋を開くことを目標に頑張っています。
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外国⼈材の皆様向け相談窓⼝ 03-6628-8605