特定技能外国人を受け入れている企業と、そこで活躍する特定技能外国人の声をご紹介します。
CASE15飲食料品製造業株式会社ミートランド
異文化コミュニケーションが職場と地域の活力に

- 企業情報
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- 事業内容:豚食肉製造業
- 従業員数:108名
- 特定技能外国人受入れ数:2名(内訳:インドネシア2名)
特定技能外国人を受け入れている企業と、そこで活躍する特定技能外国人の声をご紹介します。
CASE15飲食料品製造業株式会社ミートランド
当社がある秋田県鹿角(かづの)市は、高齢化率が4割を超え、全国的にも高齢化が進んでいる地域です。社員の高齢化も進む中、工場の安定稼働のために若い働き手を増やしたいと考え、2022年5月に特定技能外国人を採用しました。
特定技能外国人は、基本的な日本語は理解できることを想定しているため、社員や地域のみなさんと積極的にコミュニケーションを取ってもらえるだろうと考えたことも、受入れを決めた大きな理由です。鹿角地域には外国人がまだ少なく、社員を含め、地域住民が異なる言葉や文化を持つ人と触れ合う機会はそれほど多くありません。そのため、私たちが外国人を雇用してともに働くことで、会社や地域で異文化コミュニケーションが広がり、新たな刺激になるのではないかという期待も持っていました。
将来的には技能実習生の受入れも検討しており、まずは特定技能の方々を当社の社員としてしっかり育て、後に続く技能実習生のロールモデルになってもらおうと考えています。
現在は、豚部分肉(ロース、バラ)の脱骨作業を担当してもらっています。重さ20キロほどの部分肉からあばら骨などを取り除いていくのですが、無駄な力を使わずに効率良く脱骨していくには、骨の形や作業のコツをしっかり覚える必要があります。通常、新人スタッフが加工ラインに入るまでに2、3カ月かかりますが、特定技能の2人は向上心を持って真摯に仕事を覚え、1カ月でラインに入ることができました。
練習中の1カ月間は、特定技能外国人同士が教え合い、時にはミスを指摘し合いながら、競争意識を持って技術を覚える姿が印象的でした。競争意識が強すぎるとトラブルになりかねないので、少し心配していたのですが、彼らは仲間意識とライバル心のバランスをうまく取り、順調に仕事を覚えてくれたので安心しました。また、特定技能外国人が入ることで、ほかの日本人社員にも「彼らに負けていられない」という前向きな向上心が生まれるという効果もありました。今後は、より難しい肩などの部位の脱骨もできるように指導していきたいと考えています。
特定技能外国人の2人は、職場から2キロほど離れた借家で生活しています。2人とも真面目で明るく、いつも日本人社員と仲良く話しながら頑張っています。休日に一緒に遠出したり、地域の祭りに連れ出したり、家族のように接している社員もいるようです
特定技能外国人の2人はムスリム※ですが、ご存知の通りムスリムは豚肉を食べることを禁じられています。当社では豚肉の加工がメイン業務となるため、採用面接では一番初めに「豚肉を触ったり加工したりすることに問題はない」と本人たちの確認を取り、その上で採用を決めています。また、受入れ前には、管理職や総務部門の担当者がイスラム教やムスリム対応の基礎について学び、一般社員に分かりやすく伝えました。体を清めやすいシャワールームのある場所に礼拝室を設け、設備面も整えています。
生活面で温かいサポートをしてくださっているのが、地域住民のみなさんです。2人が住む借家の大家さんやご近所の方々が本当にやさしく、日ごろから野菜や衣服などさまざまなものを差し入れてくださいます。2人が通勤に使っている自転車も、ご近所の方に譲っていただいたものです。地域の行事に誘ってくれたり、一緒にBBQをしたり、地域ぐるみで異文化交流を楽しんでいただいていることが、当社としてもとてもうれしく、ありがたいです。また、鹿角は自然豊かで、四季のはっきりした地域なので、彼らには、都市部では味わえない地方の良さを楽しんでほしいと思っています。
人材不足が受入れのきっかけだったことは確かですが、今はそれ以上に、外国人と日本人がお互いいろいろな経験をし、知識を身につけ、高め合うことの意義を感じています。日本人と同じ待遇で雇用する特定技能外国人だからこそ、日本人と同じモチベーションで働き、同じ目線でコミュニケーションを取ることができるのだと思います。これからも、日本人と同じように意欲を持って働きたいという特定技能外国人を一人でも多く採用していきたいと考えています。
※ムスリム:イスラム教を信仰している人々のこと。ムスリムには信仰、告白、毎日5回の礼拝、喜捨、年1回の断食および一生に一度の聖地巡礼が戒律とされている。また、豚肉やアルコール類の飲食は禁じられている。
ディルガ ラーマット サプトラ(DIRGA RAHMAT SAPUTRA)さん
特定技能外国人同士、お互いに教え合いながら仕事を覚えました。ここでは職場の方も近所の方もやさしいので、あまり困ることはありません。休日にはいろいろな場所に出かけ、写真をSNSにアップして楽しんでいます。
アフリザル(AFRIZAL)さん
室温の低い工場での作業に少し苦労しましたが、上司が「ゆっくりでいいよ」と言ってくれたので安心できました。日本語能力試験N2レベルを目指して、勉強も頑張っています。雪が降ったらスキーを体験してみたいです。
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