日本企業グローバルビジネスサポートLAPITA(JTB)

  1. TOP
  2. レポート・コラム
  3. ASEAN
  4. 開所式を海外で実施するときに、成功させるポイント【前半】

開所式を海外で実施するときに、成功させるポイント【前半】

handshake-4229703_640 (1).jpgのサムネイル画像

はじめて海外進出される日系企業様から「海外に新しく拠点を出すけれど、開所式はどうすればいいのかわからない」というご相談を非常に多くいただきます。国が異なれば、開所式の作法も大きく異なります。たとえばタイでは、開所式と同時に仏教式典をよく実施しますが、現地によっぽど詳しい方でなければ知らないことは多いはず。

JTBはアジアを中心に海外の開所式を含めた記念式典サポートさせていただいていることもあり、今回は海外で開所式を実施する際のポイントをご紹介します。


目次


 

開所式とは

 

●施設や店舗のお披露目の場

ニュース番組で、新施設を披露するためのテープカットをご覧になられた方もいらっしゃるかと思います。開所式は新しい事業所、支社や工場、店舗などを開設するときのイベントです。オープニングセレモニーとも呼ばれます。施設のお披露目として、また新しく事業を始めるときに、これまでの関係者への感謝の意と共に、企業の事業内容をPRする大切なイベントとして多くの国で開催されています。

 kaisyoshiki02.jpg

 

 

開所式を海外進出時に実施するメリット

 

●有効なPR機会となる

海外で開所式を実施する目的としては、現地の方々へのご挨拶、海外進出にあたりお世話になった方々へのお礼だけではありません。パワーポイントや動画を活用した企業・ビジネス紹介、製品紹介なども実施するため、大勢の方々に自社のPRをすることができます。

 

●VIPや現地関係者と直接交流できる

開所式の出席者は企業関係者以外に、現地の政府関係者、プレス関係者、日本大使館職員、将来の顧客となりうる方々などをお呼びすることが多く、事業を開設するにあたりお世話になった方々や今後お世話になる方へ感謝の意を込めてご招待します。今後の事業活動を円滑に進める為に非常に大切なイベントであることが分かります。そのため、実施する企業が非常に多いのです。

 

american-3452426_640 (1).jpg

事例ダウンロードボタン.jpg

 

開所式の準備をはじめる前に

 

●準備期間

理想としては、1年~半年前から始められるとよい準備ができます。海外で開所式をする場合、企画内容によっては政府関係各所への申請が必須となり、認可が下りるまでに時間を要します。たとえば、インドの禁酒の州で「鏡開き」をする場合、お酒が禁止されているため許可申請をする必要がありますし、ベトナムでイベントを実施する場合も、政府に申請する必要があります。これらを怠ると最悪の場合、強制的に中止せざるをえなくなるため、あらかじめ企画内容を決め、早めにライセンス取得をしておくことが必要です。

また、海外での開所式は、多くの輸送が伴います。たとえば「鏡開き」の枡は現地調達ができないことが大半で日本から輸送する必要がありますし、インドネシアをはじめ輸入規制が厳しい国では、通関に引っかかりやすく、通すために時間を要します。2ヶ月前、1ヶ月前からの準備でも開所式自体を開催することは可能でしょうが、できることは限られてきます。何ができて、何を持ち込めるかは国によって異なりますので、早め早めの確認が大切になります。

 

●最初に考えること

まずは大きな企画の方向性と優先事項を決めることが重要です。日時、開催場所、招待社数・人数、予算、開会式で何を伝えるかなどの基礎情報を固めましょう。招待人数が1000人クラスになると開催可能な場所は限られますし、招待するVIPによって、プログラム内容も大きく変わります。

 

 Lapita_sake.jpg

 

開所式の実施に必要な準備

 

●開催目的の設定

政府関係者などVIP、現地パートナー企業との交流、現地住民のみなさまへの広報などが大きな目的になる場合が多く、その目的にあわせて、開所したことだけ伝える企業もあれば、資料やムービーを使って、新規事業をアピールするコンテンツを用意する企業もあります。また、製品紹介をする場合は、別途展示エリアを用意するケースもあります。

 

●予算

予算は、数百万円〜数千万円と企業によってバラバラです。あらかじめ予算感を把握しておくことで、招待人数や開催場所、開所式の企画をスムーズに決定することができます。

 

●招待客

どのクラスの方を何人お招きするかは非常に重要な項目のひとつです。特にVIPにおいて、その国の首相や大臣などを招待する場合、セキュリティ体制の構築や、外交儀礼をまとめたプロトコルを準備する必要があります。また、VIPは多忙であることが多く、予定が変わることが少なくありません。細目にスケジュールを確認したほうがよいでしょう。

 

●開催場所

基本的には、ホテルのバンケットを利用する場合が多いですが、日本同様に新しく進出する自社の事業所や工場などで実施することもございます。会社の方針や、お招きする方を考慮し会場を選定・決定するケースが多いです。

 

●開催の時間帯と曜日

日本では、午前中から日中にかけて開所式が行われることが多いと思いますが、海外では夜に実施されることも少なくありません。式典後、歓談を踏まえた夕食会が開かれるためです。もちろん必ず夜に実施しなければならないというルールはなく、国の情勢や治安、VIPのスケジュールに合う時間を考慮しながら決定します。また、バングラデシュやサウジアラビアなどイスラム圏では、金曜と土曜が休日にあたり、日曜日が週の初めとなり現地の方は忙しいため、これらの曜日を外して実施するケースが多くなっています。

 

●宿泊、交通、観光、ガイドの手配

その他、日本から従業員やVIPを招待する場合、飛行機チケットや宿泊の予約も事前に済ませておきましょう。また、観光も兼ねる場合はガイドも忘れずに手配しておきましょう。

 

kaisyoshiki05.jpg

 

 

【次回】後半の記事は文化・風習の違いについて。

いかがでしたでしょうか。今回の記事では、開所式の事前準備で抑えるべきポイントを中心にご紹介しました。次回、後半の記事では、海外での開所式を成功させるためには絶対に外せない、その国の文化や宗教、風習について、当日運営をスムーズに実施するためのポイントを中心にご紹介します。ぜひご期待ください。

 <最後に>下記より、駐在員事務所・現地法人工場、開所式・記念式典開催のすすめ【バンコク編】資料もダウンロードいただけます!

bt.jpg

 

PAGETOP