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【JTB海外駐在員コラム】中国(広州)編

JTBグループ内外の独自のパートナーシップの構築により日本企業のグローバルビジネスをお手伝いするラピタより、
海外に駐在するJTBの社員による現地の最新情報をご提供いたします。


今回は、中国(広州)からのコラムをお届けします。


【広州今昔】


少し古い話を交えてお話しします。
私が広州に初めて訪問したのは1986年8月、30年以上前のことでした。

その時と今とは比べものにならない位大きく変化しておりますが、その中で最も印象に残っている通貨流通に関して振り返ってみたいと思います。
あくまで実体験に基づく個人的な感想ですので、多少事実と異なることが有るかも知れませんが、ご容赦ください。


当時中国では一般の人民元と外国人が使用する兌換券というものがありました。
日本人を含む外国人は銀行等では外貨を兌換券に両替して市中で利用していました。
目的は政府が外貨を管理するためだったようです。
旅行で中国に滞在し余った兌換券は外貨に再両替出来ましたが、人民元は外貨に両替出来ませんでした。
また中国国内でしか兌換券の入手、再両替は出来ませんでした。


外国人の支払いは基本兌換券で行い、また兌換券しか使えないお店も有りました。(外国人専用のお土産店や当時としては高級品を扱うお店)
私の記憶では、当時は外国家電製品や化粧品などの女性のおしゃれ製品は中国人には入手困難で、逆に兌換券しか使えない(外国人専用)お店では取り扱っていたことから、中国人はこの兌換券を欲しがっていました。


一般のお店でも外国人は兌換券で支払いますが、おつりは人民元でした。
もらった人民元の使い道に結構苦労した記憶が有ります。
人民元で払おうとすると外国人に対しては、兌換券を要求するお店が多かったからです。


観光地や駅周辺では『チェンジマネー』と言って外国人に対し、兌換券1に対し人民元1.3位(86年8月)で交換を持ちかける中国人がたくさんいました。(もちろん違法です)


兌換券が廃止されたのは1995年1月1日とのことです。
因みに現在中国ではこの兌換券が古銭商などで結構な金額で取引されています。
(保存状態や発行年度、通し番号によりますが、)
貧乏学生だったため、ほとんど使い切ってしまったことが今更悔やまれます。


当時中国人は余り財布を持たず、ポケットなどに無造作にお金をしまっていました。
くしゃくしゃになったお札を無造作に投げてやり取りする中国人同士を見て、ずいぶんお金を粗末にする人たちだなぁとも思ったりしました。


ご存知の方も多いと思いますが現在は、スマートフォンのアプリを使った決済が主流になっています。
ここ数年で急速に普及した決済方法で、それまでは日本と同じく、現金、クレジットカード決済、インターネットバンキング決済が主流だったようです。


地域によって差が有るかも知れませんが、ここ広州では現金で支払いをする人はかなり減っているように思われます。
お店によっては現金での支払いが出来ず、注文から決済まで全てアプリを使って行うレストランなども有ります。
アプリでの決済は単に決済だけにとどまらず、取引評価、割引券やキャンペーン情報の発信等多岐の役割を果たし、複合的にサービスを展開することでどんどん進化&深化していっている感が有ります。


新しくて便利なことを受け入れることに対して抵抗感が少ない印象が有ります。 商才に長けた中国人、今後どのようなサービスを開発していくのか興味津々で見守っております。




※本サイトに掲載のレポートやコラム及びリンク先などの内容はすべて執筆者の個人的な見解であり、
 弊社の公式見解をあらわすものではありません。

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