【JTB海外駐在員コラム】マレーシア編
外の独自のパートナーシップの構築により日本企業のグローバルビジネスをJTBグループがお手伝いするラピタより、
海外に駐在するJTBの社員による現地の最新情報をご提供いたします。
今回は、マレーシアからのコラムをお届けします。
Selamat pagi!!スラマッパギ!!
近年目覚ましい発展を遂げているマレーシア。マレーシア政府は2020年には先進国入りを目指しており、街の至るところでビルや商業施設の開発を目にします。
多民族国家であるマレーシアは、イスラム教を中心としたイスラム文化、中国文化、ヒンドゥー文化が混在しており多様な文化が共存しています。
国民の宗教に着目してみても、イスラム教61%(連邦宗教)、仏教20%、儒教1%、ヒンドゥー教6%、キリスト9%と、世界でも類を見ないまさに多民族国家であることがうかがえます。
日本のテレビでも『最も住みやすい国』として注目されているマレーシア。今回のコラムでは、急成長中であるマレーシアを、駐在員としての立場からお伝え致します。
【マレーシア国民の特徴】
マレーシアの首都、クアラルンプール(Kuala Lumpur)・通称KL。KLに進出している日系企業は、2016年12月時点の統計では1,396社となっています(出典:JETROホームページより)。製造業、金融業、保険業、流通業、小売業等様々な日系企業が進出しており、街を歩けば私たち日本人に馴染みの深い企業の看板や広告を目にします。
各企業で働く従業員の大多数を占めるのはもちろん現地マレーシア人。仕事上での商談やデパートでの買い物等の普段の生活において対話をする際、彼らは相手によって話す言語を変えています。
彼らは幼少時から他民族社会の中で生活しているためか、多くの国民が複数の言語を操ります。母国語であるマレー語はもちろん、英語、北京語、広東語、上海語等々...。複数の人とのコミュニケーションでは、2・3ヶ国語が飛び交う光景が当たり前のように見受けられます。
対話者によって言葉を操るマレーシア人。我々日本人からすると実に羨ましく思えるものです。
【ハラルマーケット】
近年注目を浴びているハラルマーケット。休日にデパートや広場に向かうと、ハラルセミナーや展示会を行なっている光景を頻繁に目にします。特に食品や化粧品、医療関連業界の宣伝広告が多いと感じます。今後もムスリム人口が増加するにつれ益々注目されることが予想されます。
ムスリムの人口は2030年にはキリスト教徒を抜いて世界一となり、2050年には世界人口の3分の1にまで増えるとも言われております。現在の市場規模では、ムスリムを対象とする市場規模は推定300兆円とも言われており、今後も更なる市場拡大が見込めるマーケットになることは間違いありません。
日本においても例外ではなく、マレーシアのみならず世界中のイスラム市場から来日する観光客への対応が全国各地で緊急課題として取り上げられている報道を目にします。ムスリム旅行者にとって日本はまだまだ課題が多い環境ですが、政府として観光立国を目指している以上、ムスリム旅行者に配慮した受入態勢やインフラ整備が整ってくることで様々な業界にビックビジネスのチャンスが訪れるものと思われます。
【マレーシア最大の旅行博 MATTA FAIR 2017】
9月8日(金)~10日(日)の3日間、クアラルンプールでは毎年恒例のMATTA FAIRが開催されました。MATTAとは「Malaysia Association of Tour & Travel Agents」の略称であり、MATTAが主催者となって旅行会社・航空会社・地域自治体・政府観光局等が出展します。
マレーシア最大の旅行博であり、各旅行会社はMATTAに備えて旅行商品の特売会を行います。地域自治体や観光局も他国・他地域に負けじとPRを行い、地域をアピールする姿が目に留まります。
2016年度の来場数は何と8万7千人。今年も会場に入場すると人、人!人!!
クアラルンプールでは年に2回開催され、更にクアラルンプール以外の場所(ジョホールバル・ペナン)においても時期を変えて開催されており、マレーシア人の旅行に対する意識が高いことが感じ取ることができます。
消費者であるマレーシア人はというと、自分たちで計画した旅行商品を一日中探し回り購入していきます。中には1年以上先の旅行商品を購入する方もいます。
JNTOの調査によると、2015年度の訪日マレーシア人は50,264人でしたが2016年度は63,300人に増加しており、対前年比125,9%の伸率となっております。定番である東京・大阪・北海道には既に訪れた経験のある方も多く、今年は上記3地域以外の地方に方面がシフトされているように感じます。
冬が無いマレーシア人にとってこれから訪れる日本の冬は魅力的な季節。マレーシアのスクールホリデー(12月)や旧正月もこれから始まりまだまだ訪日需要が見込めます。日本を積極的にPRし、マレーシア人に日本の素晴らしさを伝えていきたいと考えています。
■MATTA日本ブース■
日本の和傘を使い、日本らしさを演出していました。隣には台湾・韓国・トルコのブースが立ち並び、日本同様他の国もマレーシア人インバウンド獲得に注目していることがうかがえます。
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