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【フィリピン】<JICAの南南・三角協力を国連が評価、フィリピンも貢献>

 国連は、先頃発行した好事例集において、国際協力機構(JICA)の南南・三角協力への取り組みが、持続可能な開発目標(SDGs)の実現に大きく貢献していると高く評価した。

 「南南協力」とは、開発が比較的進んでいる途上国が、自国の開発経験や人材などを活用して、開発が進んでいない途上国に対して援助を実施することである。その取り組みを先進国などが支援するのが「三角協力」である。

 国連が発行した事例集は、「持続的開発のための南南・三角協力の優れた取組」。世界各国・機関が実施の南南・三角協力のうち、60件の事例を取り上げているが、うち1割に当たる6件をJICAの事業が占めており、南南・三角協力への先進的な取り組みを続ける機関として、JICAが高く評価されている。

 昨年9月の国連サミットで「持続可能な開発のための2030アジェンダ」が採択され、これを実現するための開発目標として、17のゴールと169のターゲットで構成する「持続可能な開発目標(SDGs)」が設定された。SDGsでは、「持続可能な開発のための実施手段を強化し、政府や民間企業、市民社会など、さまざまな関係者とのグローバル・パートナーシップの活性化を目指す」とされている。

 2015年までに達成すべき目標を掲げていた「ミレニアム開発目標」に比べ、野心的で普遍的なSDGs。その達成には、これまで実施されてきたODAプロジェクトではカバーできなかった分野や課題へのアプローチや、ODA以外のリソースの動員が必要だ。そこには、開発途上国の経験や知見、人材、民間セクターなどとの連携や活用が不可欠と考えられており、グローバル・パートナーシップ活性化の具体的な手法の一つとして、「南南・三角協力」の持つ有効性が、大変注目、期待されている。

 JICAが三角協力を開始したのは1974年で、すでに40年以上にわたる。その経験と実績から、経済協力開発機構(OECD)が発行した「開発協力相互レビュー」でも、「日本は、長い間、南南協力分野の支援におけるリーダーであり、この分野における日本の努力は革新的かつ先進的なものである」と認められている。JICAがほかの開発パートナーと協働し、開発を達成するために必要な相手国の知識や経験を活用するため、南南・三角協力を戦略的かつ効果的に実施していることが高く評価された。

 上記の好事例集で 事例の一つが「アフリカ稲作振興のための共同体 (CARD)」である。 2008年5月、JICAは「アフリカ緑の革命のための同盟(AGRA)」と共同で「CARD」を発表した。「CARD」は、アフリカにおけるコメ生産拡大に向けた自助努力を支援するための戦略(イニシアティブ)であると同時に、関心あるコメ生産国と連携して活動することを目的としたドナーによる協議グループで、サブサハラ・アフリカのコメ生産量を10年間で倍増することを目標としている。CARDでは、アフリカの諸条件に適した高収量品種であるネリカ米の普及を含め、適正品種の選定、栽培技術の改善など、単位収量の増大も目指している。

 「CARD」事業の一環として、フィリピンにおいて、2011年から「アフリカ稲作農業普及研修」が実施され、アフリカの農業普及員らがアジアの稲作現場で、フィリピン人専門家から指導を受けた。この研修は、「CARD」の一環として、JICAと、稲作研究の国際的権威である国際稲作研究所(IRRI、本部・フィリピン)が連携し、そこに、JICAが長年、技術協力を行ってきたフィリピン稲作研究所(フィルライス)が、技術普及の実践的な支援を行う形で加わり実現した。

 そのほか、フィリピンは、カンボジアでの「農業資材(化学肥料及び農薬)品質管理能力向上計画」においても、農薬の適切な使用と品質管理を促進すべく専門家を派遣するなど、様々な南南協力で重要な役割を担うようになっている。

 一般的に、フィリピン専門家は、語学力に優れているほか、専門知識のみならず、実際の現場で経験を積んでいることから、更なる活躍が期待される(16年8月19日のJICAニュースリリースなどより)。

提供:WCLソリューションズ・フィリピン

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