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【フィリピン】<日本格付研究所、フィリピン格付BBB+を継続> 投資適格最低基準よりも2段階上、Aを視野 米系のS&Pやムーディーズよりも一段階上

 日本格付研究所(JCR)は、昨年7月6日に、フィリピンの格付けを一段階引き上げた。

 具体的には、外貨建長期発行体格付とペソ建て長期発行体格付ともに、それまでのトリプルB(BBB)からトリプルBプラス(BBB+)へと引き上げられた。格付見通し(アウトルック)は 安定的とされた。トリプルBプラス(BBB+)は投資適格最低基準の2段階上であり、A格付が視野に入ったといえる。

 ちなみに、世界三大格付期間の一つである米系のムーディーズ・インベスターズ・サービス (ムーディーズ)は、2014年12月11日に、フィリピンの格付を一段階引き上げ、投資適格最低基準よりも一段階上の「Baa2」とした。「Baa2」は他の格付機関のトリプルB(BBB)と同格である。ムーディーズと並ぶ有力格付機関である米系のスタンダード&プアーズ(S&P)は、2014年5月8日に、投資適格最低基準である「トリプルBマイナス(BBB-)」から「トリプルB(BBB)」へと引き上げ、投資適格最低基準を一段階上回るステータスとしている。すなわち、JCRのフィリピン格付はムーディーズとS&Pよりも一段階上となっている。

 そして、JCRは8月2日に、 フィリピン格付に関して、外貨建長期発行体格付とペソ建て長期発行体格付ともにトリプルBプラス(BBB+)を据置くと発表した。格付見通し(アウトルック)も安定的が継続された。

 JCRは今回のフィリピン格付据え置きの理由として、「現行の格付は対外ショックに対する一定の耐性、比較的良好な政府財政ポジション、底堅い内需をけん引役とした比較的高い経済成長ポテンシャルを主に反映している。他方、格付は道路など一部では改善が見られるものの、依然として不十分なインフラなど課題の多い投資環境により制約されている。格付の見通しは安定的(当面の変更の可能性が薄い)である」と概括している。

 そして、2015年に5.9%と高い成長を達成したフィリピン経済は、2016年も底堅い内需に牽引され、6%台の成長を続けると予測している。財政ポジションは、予算執行の遅れもあって財政赤字が政府計画を下回って推移しており、比較的良好な水準で維持されている。経常収支は、海外労働者送金、ビジネス・プロセス・アウト・ソーシング(BPO)産業ならびに観光産業に支えられ、引き続き黒字が続くと見ている。

 対内証券投資流出入のボラティリィティーが高まっているものの、外貨準備は総対外債務を上回る水準となっており、対外ショックに対する一定の耐性が維持されているとも判断している。今年6月末に発足したドゥテルテ政権は、アキノ政権のマクロ経済政策を継承しつつ、インフラ投資の加速、外資規制見直しによるFDI 誘致、所得税と法人税の税率引下げなど税制改革を行う方針を表明しており、JCR は新政権による経済政策の今後の進捗に注目していくとのことである(16年8月2日の日本格付研究所発表より)。

提供:WCLソリューションズ・フィリピン

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