【マレーシア】国内経済、下期に回復基調に入る=アナリストら
【クアラルンプール】 アナリストらは、マレーシア経済が今年下期に経済回復に入ると予想している。
アジア戦略リーダーシップ研究所(ASLI)のマイケル・ヨー最高責任者は、マレーシア経済が下期に回復基調に入るとの見通しを示した。消費者がより楽観的になることで経済にも好影響が及ぶという。
同氏は、翌日物政策金利の引き下げを受け、各銀行が基準貸出金利(BLR)を引き下げる動きに出ていることでローン残高が増え、消費者への融資が増えることになると指摘。住宅や自動車などの高額商品の消費につながると説明した。
一部からは物品・サービス税(GST)引き下げの要望が出ているが、ヨー氏は引き下げは良いことではないとの意見を示した。消費者や企業はGSTを受け入れつつあり、この段階で利率を変更するのは望ましくないという。
クナンガ・リサーチは、今年第2四半期の国内総生産(GDP)成長率は4%となり、今年上期のGDP成長を4.1%に押し上げると予想している。数四半期に渡り経済減速の影響を受けてきたが、景気後退リスクは弱まっており今年下期に経済回復がみられるとの分析を示した。今年下期のGDP成長率は4-5%となり上期と同等になるとの予想だ。一方で来年は4.5-5.0%のGDP成長を見込んでいるが、世界情勢の影響を注視する必要があるという。
不安定な世界経済の状況がマレーシアにおける投資にも影響を及ぼすが、世界情勢が安定すればマレーシアのエクイティ市場の魅力も増すという。
通貨リンギについては今年下期、1米ドル=3.90-4.20リンギとなると予想している。年末には4.17リンギになるとの見込みだ。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、7月26日、ボルネオ・ ポスト、7月25日)