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【フィリピン】<日清食品のフィリピン即席麺事業、一段と好調>ニッシンURC、上半期の純利益41%増の2.4億ペソ

 日清食品グループ(日清グループ)は、フィリピンにおいて、ゴコンウェイ・ファミーリーの有力食品企業ユニバーサル・ロビーナ・コーポレーション(URC)と合弁即席麺事業を展開、カップ麺ではトップ企業となっている。

 日清グループ、三菱商事、URCとの合弁企業としてスタートした「ニッシン・ユニバーサル・ロビーナ・コーポレーション」(ニッシンURC、本社:マニラ首都圏ケソン市、会計期末:9月)は1996年に設立され、生産工場も同年に竣工、即席袋麺やカップ麺の製造・販売を行ってきている。

 日清ホールディングスは、2014年12月に、シンガポール子会社である日清シンガポール及びURCならびに三菱商事の合弁会社であったニッシンURCの発行済株式総数の24%を、日清シンガポールを通じてURC及び三菱商事より取得した。
この株式取得により、日清グループのニッシンURCに対する株式保有比率は25%から49%に上昇、ニッシンURCは日清グループの持分法適用関連会社となった。残りの51%はURCが保有している。また、同時にURCが保有するPayless(ペイレス)ブランドを中心とした即席麺事業(Payless)にかかる生産設備等をニッシンURCが取得した。

 東南アジア地域は、麺食文化がもともと存在することに加え、継続的な経済成長による即席麺の消費量・販売額の拡大が見込める有望市場であり、日清グループも同地域での事業展開を加速させている。中でもフィリピンは、2013年には実質GDP成長率が7.2%を記録、その後もASEAN屈指の高成長を続けている国である。同時に、フィリピンは即席麺の総需要が世界第9位となる27億2,000万食の規模を有する世界有数の市場であり、今後も人口増加や経済力の向上にともない、さらなる市場拡大が期待されている。

 日清グループも、以前よりニッシンURCを通じて、フィリピン市場の開拓を行ってきたが、特に近年は1人当たりのGDPや可処分所得が増加したことにともない、袋麺だけでなく、より付加価値の高いカップ麺の需要が高まっており、ニッシンURCの主力製品である「Cup Noodles」の販売も好調に推移している。

 このような市場環境を鑑み、日清グループは、フィリピンにおける事業展開の一層の強化と、そのために機動的な資源投入、意思決定を行うため、URCと三菱商事が保有するニッシンURCの株式をそれぞれ14%及び10%ずつ取得することについて協議を重ね、取得に至ったのである。

 日清グループは、このような動きを通じて機動的な資源投入、意思決定の構造を確立し、日本で培った技術力・商品開発力を活かして生産効率や安全品質の向上を図るとともに、高付加価値商品の導入を進めることで、ニッシンURCを通じたフィリピンにおける即席麺事業のさらなる成長を目指している。

 このような動きのなかで、ニッシンURCの業績も好調に推移している。2015年度(2014年10月~2015年9月)の売上高は2年前の2013年度に比べ92%増の35億5,300万ペソ、純利益も同45.5%増の3億0,400万ペソへと大幅増加した。

 さらに、2016年度上半期(2015年9月~3月)の売上高は前年同期比18%増の20億2,400万ペソ、純利益は同41%増の2億3,6000万ペソと二桁増収増益となった。フィリピンの高い経済成長率、カップ麺の需要拡大にくわえ、上記のような日清グループのフィリピン事業強化策の奏功といえよう。

 ニッシンURCの業績推移(単位:百万ペソ、15年度までは年間ベース、16年度は上半期)

項目 13年度 14年度 15年度 16年度上半期 前年度同期比伸率
売上高 1,851 2,434 3.553 2,024 18%
EBITDA 334 461 505 375 39%
純利益 209 299 304 236 41%
総資産 1,099 1,407 1,612 1,761 13%

(出所:URC年次報告書、四半期報告書などから作成)

提供:WCLソリューションズ・フィリピン

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