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【フィリピン】<資金洗浄監視国リストに再掲載の危機>

 OECD加盟国などで構成される金融動専門委員会(FATF=本部パリ)は、2004年までフィリピンを資金洗浄防止非協力国家というブラックリストに据え置いていた。フィリピンは、このブラックリスト指定からの解除を実現するため、FATFの意向を汲み、資金洗浄防止法強化などの努力を続けてきた。そして、2005年2月のFATF年次総会でブラックリストから除外された。

 その後、何とか、ブラックリストへの再掲載を逃れてきたが、このほど1億ドルの資金洗浄疑惑が発生、資金洗浄防止委員会(AMLC)が調査に着手している。この疑惑に関し、AMLC共同委員長でもある証券取引委員会(SEC)のテレシータ・エルボサ委員長は。「フィリピンがFATFの資金洗浄国監視国リストに再掲載される
危機が高まった」との懸念を表明した。

 FATFは、フィリピンに対し2012年にも、「資金洗浄防止において、フィリピンにはある一定の戦略上重大な欠陥が残存する」と警告している。FATFは、「フィリピンは①資金洗浄の適切な犯罪化に係る更なる措置、②テロリスト資産を特定、凍結するための適切な手続き及び資金洗浄に関連する資金没収に係る更なる規定拡大の確保、及び③疑わしい取引の届出義務の適用対象機関の拡大を含む、資金洗浄・テロ資金供与対策上の欠陥に対応するためのアクションプランの履行への取り組みを継続するべきである」と勧告した。

 このFATFの勧告を受けて、2013年にフィリピンは資金洗浄対策改正法案を成立させた。しかし、依然、厳格すぎる銀行口座守秘義務などの問題が残っている。

 なお、FATFは資金洗浄への高まる懸念に応えて、1989年フランスの首都パリで開催されたG-7サミット(先進7ヵ国首脳会談)において設立された組織であり、OECD加盟国などで構成される。各国の資金洗浄やテロ資金供与に関する問題点を指摘、非協力国家指定・公表等を行うと共に、改善策推進を要求してきている。

提供:WCLソリューションズ・フィリピン

ここで紹介できなかったフィリピン経済情報は、 フィリピン経済・金融・投資情報 にてご確認いただけます。

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