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【フィリピン】<中央銀行、バーセルⅢ流動性基準導入へ>

 フィリピン中央銀行金融委員会は、バーゼル銀行監視委員会によるバーゼルⅢ流動性カバレッジ比率(LCR)フレームワークを導入することを決定した。

 2007年からの米国サブプライム問題に端を発する金融危機においては、8%の最低水準を大きく上回る自己資本比率(CAR)を維持していた世界的大手銀行であっても破綻の危機に瀕するところがあった。これらの銀行の中には、運用資産の流動性不足により債務の返済が著しく困難となった銀行があった。

 バーゼル委員会は、銀行が流動性リスク管理を疎かにしたことが原因と捉え、2008年に「健全な流動性リスク管理およびその監督のための諸原則」を公表した。 これらの原則を補完するため、バーゼルIIIにおいて資金流動性に関する二つの最低基準が導入されちつある。

 その一つは、短期的な流動性ストレス耐性の強化を目的とした「流動性カバレッジ比率(LCR)」である。銀行は30日間継続する強いストレスシナリオに耐えうるだけの、高品質な流動資産を保有することを求められる。具体的には、ストレス下でも市場から流動性を調達することができる高品質の流動資産(「適格流動資産」)を、短期間(30日間)の厳しいストレス下におけるネット資金流出額(「30 日間のストレス期間に必要となる流動性」)以上に保有することを求めている。

 二つ目は、銀行に中長期的な資金調達を促すことを目的とした「安定調達比率(NSFR)」である。この基準をクリアするには中長期的な貸出に見合うだけの安定的な資金調達を行わなければならない。LCRは2015年1月1日より段階的に導入されつつある。

 フィリピンでは、LCR規制を2018年1月から段階的に導入する。2018年からはLCR90%以上維持、そして、2019年1月から100%以上維持とする。安定調達比率(NSFR)については、今年中に規制に関する草稿を作成する予定である(16年3月1日のフィリピン中央銀行ニュースリリーウより)。

提供:WCLソリューションズ・フィリピン

ここで紹介できなかったフィリピン経済情報は、 フィリピン経済・金融・投資情報 にてご確認いただけます。

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