【フィリピン】<マルコス不正蓄財宝石、10億ペソ超との鑑定>
フィリピン大統領府行政規律委員会(PCGG)は、2月12日、「故フェルディナンド・マルコス大統領一家によって不正蓄財された宝石類の価値は最低でも10億ペソに達すると鑑定された」と発表した。
この鑑定は競売大手のクリスティーズとサザビーズによって実施された。これらの宝石類はイメルダ・マルコス夫人(現下院議員)が中心となって収集されたとされ、故マルコス大統領失脚の際にマラカニアン宮殿(官邸)に残された宝石類(マラカニアン・コレクション)、逃亡先のハワイで押収された宝石類(ハワイアン・コレクション)などである。
PGCCは、1986年2月、故コラソン・アキノ大統領により大統領府直属の組織として設置された。故マルコス大統領及びその一族の不正蓄財・隠匿された財産類の追跡調査・回収が主たる目的の一つとなっている。また、大統領指示に従い、他の汚職・腐敗事件の捜査及び対策を講じることも任務とされている。
このほど、財務省主導の民営化評議会はハワイアン・コレクションの国際市場での売却を承認した。創設30周年を迎えつつあるPCGGは「マルコス家の不正蓄財を本来の持主(国民)に返還するという任務を継続していく。不正蓄財売却はフィリピン国民の利益につながることになる」とコメントした(16年2月22日のフィリピン政府官報などより)。
提供:WCLソリューションズ・フィリピン
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