【マレーシア】首相へ献金したのはサウジ王族、疑惑捜査に幕引き
【クアラルンプール】アパンディ・アリ司法長官は26日、緊急記者会見を開き、ナジブ首相の個人口座に6億8,100万米ドルが振り込まれた件について、サウジアラビアの王族からの献金で、わいろの類ではなく、犯罪性は一切なかったと発表した。
献金は2013年度の選挙の支援のための献金で、ナジブ首相は献金のうち、6億2,000万米ドルは使いきれなかったとして返したという。アパンディ氏はさらに、献金に違法性はなかったため、ほかの国に捜査を要請する必要はないと表明した。このためマレーシア当局として、この件に関する捜査を終了する。
政府系ファンドのワン・マレーシア・デベロップメント(1MDB)の子会社として設けられたSRCインターナショナルに対する融資への政府保証についても、アパンディ氏は、首相による権力の乱用はなかったと述べた。
米紙ウォール・ストリート・ジャーナルが昨年7月、1MDBから7億米ドル近くの資金が首相の個人口座に振り込まれたと報じたことから疑惑が浮上し、首相は釈明に追われた。
検察当局による1MDBに対する捜査が行われる中、当時のアブドル・ガニ司法長の官が突如解任され、アパンディ氏が後任に指名されたいきさつがある。
26日の発表に対し、弁護士会の会長だったアンビガ氏は「長官の説明は不十分。国民はもっと詳しく知りたいと思っている。巨額の献金であり、見返りを求めるのが普通。見返りを求めない献金だったとの証拠を司法長官は示さなければならない」と述べた。
またシンクタンクの民主主義&経済研究所(IDEAS)のエコノミスト、サイフル・ワン・ジャン氏も、国民は司法長官が違法性があると判断するとははたから思っておらず、このような結果になることを予想していたと指摘した。
(マレーシアン・インサイダー、ザ・サン、ザ・スター、1月27日、マレー・メイル、1月26日)
提供:アジアインフォネット
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