【フィリピン】<フィリピン世界第3位に:中堅企業経営者景況感> 景況感DIが86に、1位アイルランド90、2位インド87
有力会計・監査グループである太陽ASGグループ(グラント・ソントン加盟事務所)が、12月18日に、第26回「中堅企業経営者景況感意識調査」~世界36カ国同時調査~を発表した。
世界36カ国の中堅企業経営者に対して行った、自国経済の今後一年の見通しに関する2015年第3四半期(調査実施期間2015年8月~9月、以下今回)の調査において世界36カ国の平均の景況感DIは、前期(2015年第2四半期)比7ポイント減のDI 38となった。主要国の景況感を見ると、米国は前期比20ポイント増となるDI 74となり2期連続で上昇した。一方、英国は前期比12ポイント減となるDI 67、中国も前期比20ポイント減となるDI 26となっており、ともに今回は下降に転じて景況感が悪化していることが明らかになった。
なお、DI:とはバランス統計手法Diffusion Index の略。景気判断DI「良い」との回答比率から「悪い」との回答比率を引いた景況感を示す指数である。
今回の調査で景況感DIが高い国は、1位アイルランド90、2位インド87、3位フィリピン86、4位ナイジェリア76、5位米国74、6位英国67、7位ニュージーランドとオランダ62、9位ドイツ46、10位メキシコ44などであった。フィリピンは前期の78から8ポイント上昇、順位も前期の8位から急上昇した。
一方、景況感DIがマイナスを示した国は、アルゼンチン -2、ラトビア -4、ブラジル -5、タイ -8、エストニア -8、フィンランド -8、トルコ -14、シンガポール -14、ロシア -17、日本 -28、マレーシア -28、南アフリカ -40、ギリシャ -60となった。前回、経済危機の影響を受けDI -38ともっとも低いDIを示したギリシャは、今回はさらに22ポイント低下し、引き続き最低位にとどまった。また、前回DI値がマイナスを記録した国は6カ国であったのに対し、今回は13カ国と大幅に増加しており、景況感を悲観的に見ている国が大きく増えていることが判明した。
なお、DIが対前期比で大きく改善した国は、アルメニア(前期比28ポイント増)、米国(同20ポイント増)などとなった。また、景況感DIが前期比で大きく悪化した国を見ると、トルコが同62ポイント低下し、次いでシンガポールとドイツが同46ポイント低下した。
G7各国を見ると、米国が前期比で20ポイント増となった以外は、各国のDIが全て低下し、G7平均では同1ポイント減の47となった。
その他、EU加盟国平均はDI 38と前期比20ポイント減、アジア太平洋地域平均はDI 20と同22ポイント減、BRICs平均はDI 24と同13ポイント減となった。
なお、日本の景況感は、 2014年第2四半期から2015年第1四半期まで4期連続で低下、その後前回(2015年第2四半期)は大きく改善しプラスに転じたが、今回は再び悪化してDI -28となった。前回のDI 8に比べて今回はDI -28と前期比で36ポイント減となり、2010年に四半期毎の調査を開始して以来、対前期比では最大の下落幅となった。
悲観的と見る人にその理由(複数回答)を尋ねたところ、「内需縮小」、 「少子高齢化」(ともに63.3%)が多くの回答者から挙げられ、これに「消費税の増税」(50.0%)が続いた。また、 40.0%の回答者が「世界経済の影響」を理由として挙げ、 前期の23.8%から大きく上昇した。
(15年12月18日のグラントソントン太陽ASG株式会社プレスリリースなどより)。
提供:WCLソリューションズ・フィリピン
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