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【フィリピン】<フィリピン航空グループ、外資40%受け入れ検討>

 昨年までの数年間、フィリピン航空(PAL)グループの経営権を巡って激しい動きが続いた。

 多角化を推進してきたサンミゲルは2012年に、 100%子会社であるサンミゲル・エクイティー・インベストメントを通じて、PALホールディングス(PALH)へ49%の間接出資を行った。PALHの傘下にはフィリピン航空(PAL)や格安航空会社エア・フィリピン(エア フィル)があり、サンミゲルはPALグループの49%を支配することになった。この49%はルシオ・タン氏グループから5億米ドルで取得した。
 その結果、PALグループ支配率は一時、ルシオ・タン氏グループ51%、サンミゲル・グループ49%という状況となり、サンミゲルのラモン・アン社長が PALの社長も兼任、サンミゲル側が経営支配力を強める時期があった。

 しかし、2014年にPALグループにおけるサンミゲルとルシオ・タン氏グループ連合が分裂した。ルシオ・タン氏グループがPALグループ49%の買い戻しを要求、 2014年9月8日に、サンミゲルのラモン・アン社長もこの要求受け入れに合意した。ルシオ・タン氏グループは、49%の買い戻し資金を傘下のフィリピン・ナショナル・バンク(PNB)等からの借り入れで調達、同月中に支払いを済ませた。

 この支払いにより、サンミゲルのPALグループの49%売り戻し、すなわち資本面での撤退が完了した。2014年中にラモン・アン氏のPAL等の社長辞任なども行われ、PALグループは再びルシオ・タン氏グループがほぼ完全支配することになった。

 10月26日付けビジネスワールド紙電子版などによると、PALホールディングス(PALH)は、競争力や事業基盤強化のため、2017年までに外国航空会社と戦略的提携を行う意向である。具体的な航空会社名は明らかにされなかったが、最大40%までの出資受け入れも視野に入れているとのことである。

 なお、全日本空輸(ANA)は、2014年10月1日に、「フィリピン航空(PAL)との間で二社間提携に合意し、コードシェア、スルーチェックイン、マイレージ提携を行っていく」と発表、それに沿った提携を行ってきている。一時、ANAによるPALグループへの出資観測も台頭したが、現時点では資本面での提携には至っていない。

提供:WCLソリューションズ・フィリピン

ここで紹介できなかったフィリピン経済情報は、 フィリピン経済・金融・投資情報 にてご確認いただけます。

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