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【マレーシア】新国家自動車政策 「大きな変化もたらさず」 自動車協会が不満

【ペタリンジャヤ】 2014年に発表された新国家自動車政策(NAP)について、マレーシア自動車協会(MAA)のアイシャ・アハマド会長は、自動車産業には大きな変化をもたらしていないとの考えを明らかにした。

アイシャ会長は、ハイブリッド車や低燃費自動車(EEV)の国内組立を行っている自動車メーカーはインセンティブという形で恩恵を受けているとした上で、新NAPにより自動車産業への投資の魅力が増したといったような変化はみられず、政府は自動車産業への投資誘致のための対策を考えるべきと指摘した。

新NAPではマレーシアを東南アジア諸国連合(ASEAN)のEEV産業ハブとすることを目標としており、ハイブリッド車や電気自動車の組み立て産業の強化のための方策を盛り込んでいる。ハイブリッド車や電気自動車の輸入関税や物品税の免税措置はハイブリッド車が今年 12月末までとなっており、電気自動車は 2017年 12月末までとなっている。

ホンダ・マレーシアのロスラン・アブドラ会長兼最高執行責任者(COO)は、国内組立生産(CKD)のハイブリッド車の税優遇措置により恩恵を受けるが、ハイブリッド車のCKDの開始時期については未定だと指摘した。また、優遇措置の期間も問題で、規模の経済も小さいと課題もあるとの考えを示した。

通産省は2月に発表した報告書の中で、新NAPの導入により自動車の販売価格は7.01%下落し2013年の下落幅4.97%と比べて大きな値下げとなっていると明らかにしている。  

一方で、CIMBリサーチのアズマン・フシン氏は「ザ・サン」に対して、新NAPの導入によりマレーシアをEEV産業ハブとする目的達成に向け順調に進んでいると評価。自動車産業への恩恵も大きく、マレーシアの自動車産業への投資をより魅力あるものにしているとの考えを示した。また、自動車メーカー側だけではなく、消費者にとっても競争力ある価格設定など利益があると述べた。

例としてベルジャヤ・オートが販売するマツダ車のうち「マツダ2」や「マツダ3」、「CX5」 はEEVに認定されており、これらのモデルは順調に売り上げていることからマツダの売り上 げや需要増にも大きく成長していると述べた。

HLIBリサーチのアナリスト、ダニエル・ウォン氏は新NAPは、100%ではないがある程度は目標を達成できていると指摘。輸入許可証(AP)制度は完全に自由化されておらず、明確な販売目標も提示されていないと述べた。APは自動車の輸入をコントロールすることで国民車メーカープロトンを保護し、ブミプトラ(マレー人と先住民族の総称)起業家の保護を目的としている。

2009年に発表されたNAPで、オープンAPは2015年12月末までに、フランチャイズAP は2020年12月末までに廃止されると明記されているが、MAAのアイシャ会長は、政府からは明確な方針の提示はなく実際に予定通り廃止されることはないとの見方を示した。

ムスタパ・モハメド通産相はAPの廃止については検討をしているとしたうえで、解決すべき課題が残っていると述べている。
(ザ・サン、9月7日)

提供:アジアインフォネット

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