【マレーシア】リンギ安が進行、売り圧力が依然として強固
【ペタリンジャヤ】 通貨リンギの対米ドル為替レートは 1米ドル= 3.85リンギまでリン ギ安が進んでおり、相変わらずリンギ売り圧力がかかっている。
ディーラーの間に、1米ドル=4リンギの相場でプットオプション(あらかじめ決められた価格で特定商品を売ることのできる権利)を交わす動きがここ数カ月に渡り見られる。また、 実物の受渡しがない先物取引であるノンデリバラブル・フォワード(NDF)のオフショア価格 とオンショア価格の差額が大きくなっていることも圧力に影響している。
イールド予測はオフショアNDFが8.2%、オンショアNDFが3.2%となっており差が広がっており通貨リンギにも圧力がかかる要因になっている。NDF は決済日に約定決済日に約定NDFレートと当日の実勢直物為替レートの差額に応じて損益が決まり決済が行われる。
3 日のリンギレートは 1米ドル= 3.8517 リンギで17年来の低水準となった。
中央銀行バンク・ネガラの幹部は先ごろ、内外の外為ディーラーを呼び、リンギ売りをもたらす取引を結ばないよう求めた。今後もリンギの下落が進めば外国人投資家がリンギ建ての債権を売却する動きが広まる可能性もある。
外国人投資家によるマレーシア国債の保有率は高く、6月末時点で47%となっている。金額にして43億米ドル(1,655.5億万リンギ)規模となっている。エコノミストは、リンギ安の影響で輸出が打撃を受け、石油価格の下落やコモディティ価格の下落も拍車をかけると予想している。マレーシアの輸出の 20%が石油関連製品の輸出となっている。
(ザ・スター、8月4日)
提供:アジアインフォネット
ここで紹介できなかったマレーシア経済情報は、 マレーシアBIZナビ にてご確認いただけます。