【マレーシア】今年の国内経済成長率、5%と予想=HLIB
【クアラルンプール】 世界経済は不透明感が高まりつつあるが、マレーシア経済は今年5 %の成長をすると予想されている。第 1 四半期の経済成長が好調であったことや、4 月の物品・サービス税(GST)による影響から経済が回復しつつあることがその理由。
ホンリョン・インベストメント・バンク(HLIB)リサーチは今年第2四半期にはGST導入を受けた買い控えなどが影響して減速が見られたが、下期に入り回復が見られていると指摘。 一方で下落している通貨リンギへの圧力は今後も続くと予想した。世界的な金融市場の不安 定さや国内でも政府系投資会社を巡る問題などがあるため。
今年第1 四半期の経済成長は前年同期比5.6%のプラスとなったが、HLIBリサーチは第2 四半期には4.3%成長と減速したと予想。物品・サービス税(GST)導入による影響が及ぶためで、第3四半期から年末にかけては好調な労働市場や緩和策が影響してGSTの影響が緩和されるため徐々に回復するという。
HLIBリサーチは、複数の企業がリストラを行っている動きについては持続的な動きではなく一時的なものと指摘。ビジネス・サイクルに合わせた判断やコスト削減のためと説明。主要セクターでは企業の倒産に伴うレイオフは見られていないと加えた。
投資面では、大量高速輸送(MRT)や軽便鉄道(LRT)などのプロジェクトが進められていることから今年も順調と予想されている。また、今年下期にはGSTの影響からの回復、また東海岸を襲った洪水からの復興が影響してほとんどのセクターが好調に成長すると予想され ている。
政府は今年の開発予算に485億リンギを割り当てているが、第1四半期は80億リンギを拠出した。今後、予算から多くの資金を割り当てインフラ整備などを実施すると予想されている。
HLIBは今年経常収支が280億リンギの黒字となると予想。1バレルあたり60米ドルと石油価格の予想を引き上げたことや通貨リンギが安値を付けていること、一次産品の輸出量の増加や輸入の弾力性が弱まると予想している。
HLIBは、中央銀行バンク・ネガラが翌日物政策金利(OPR)を今年末までは3.25%で据え置くと予想している。
(ザ・スター、7月8日)
提供:アジアインフォネット
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