【マレーシア】大和ハウス、マレーシアで戸建住宅事業
大和ハウス工業(大和ハウス、本社:大阪市)は、6月11日、マレーシア最大手デベロッパーのSunway Berhad(サンウェイ社))と共同でプレハブ工法による戸建住宅の開発・販売に取り組むための業務提携書を締結し、戸建住宅の開発・販売を行う合弁会社 Daiwa Sunway Development Sdn Bhd(DSD社)を設立した。、
DSD社は、2015年夏より、マレーシア ジョホール州南部のイスカンダル開発地区の総合都市開発「Sunway Iskandar(サンウェイ・イスカンダル)プロジェクト」地内の約5.3ha(約1.6万坪:東京ドーム約1個分)において、100戸の戸建住宅の建設を開始し、2016年春より販売を開始する。
大和ハウスはマレーシアにおいて、1964年より今日まで、日系企業の工場を7物件建設してした。2012年4月、マレーシアでの戸建住宅事業参入を視野に入れ、クアラルンプールに駐在員事務所を設置し、マレーシア特有の熱帯雨林気候に合う工業化住宅の研究開発を行ってきた。2013年10月には、クアラルンプール郊外のセランゴール州のサンウェイ社所有の「Sunway Eastwood(サンウェイ・イーストウッド)」の分譲地内において、マレーシア版のプレハブ工法による戸建住宅(軽量鉄骨造)の試作検証棟を建設し、2014年3月に竣工、見学等を通じて評価・検証を行ってきた。
このほど、大和ハウスがこれまで日本で培ってきた戸建住宅のノウハウとマレーシアでの試作棟での検証を活かし、マレーシアの消費者に喜ばれる住宅を提供したいと考え、本格的に事業を開始することとなった。
今回開発・販売するマレーシア版の戸建住宅は、日本のプレハブ住宅の強みである高品質・短工期をマレーシアにおいて実現させる。戸建住宅で使用する建築資材や住宅設備機器の多くは現地で調達。工期は約5ヶ月とし、現地の在来工法と比較すると約半分に短縮する。躯体構造は、軽量鉄骨造のパネル併用構造を採用した。そして、耐久性と省エネルギー性に優れた当社独自のマレーシア版オリジナル外壁システムを標準装備する。天井高は3.4mと日本の約1.5倍)の高さに引き上げ、熱帯雨林気候特有の澱んだ空気を室内上部に逃すとともに、天井設置のシーリングファンを利用して温められた空気とエアコンの冷気を攪拌させることで、空調効率を高める。さらに、大和ハウスオリジナルのHEMS(ホーム・エネルギー・マネジメント・システム)やフレンドリーデザインの建具をはじめ、日本の最先端技術を採用する。
マレーシアは、人口約3,000万人で20歳未満の若年層人口が約4割を占め、人口ボーナスの恩恵を将来受けやすい国である。その中でも特に経済成長発展が著しいジョホール州の人口は約350万人と、同国では2番目に人口数が多い州となっている。今後は、同国の新産業創出・産業誘致による人口流入や隣国シンガポールとの補完関係から、地価がシンガポール共和国の3分の1の マレーシア・イスカンダル開発地区へ、多くのシンガポール人が移住する可能性がある。そのため、戸建住宅需要は人口および移住の面から今後も期待できる。すなわち、顧客ターゲットは、安定した需要が見込めるマレーシア人や隣国のシンガポール人およびASEAN諸国の富裕層の方がメインターゲットになる。
なお、「イスカンダル計画」は、マレーシア政府が進めている経済開発プロジェクトである。2006年から2025年までの総投資額は約10兆円。2025年の計画人口は約300万人と、マレー半島の最南端の都市 ジョホールバルの開発エリア(総面積2,217k㎡)に大都市を誕生させるビッグプロジェクトが現在進行中である。金融・教育・医療・物流・観光・クリエイティブ分野の産業誘致を進めており、既に「レゴランドマレーシア」や東南アジア最大の映画スタジオ「パインウッド・イスカンダルマレーシア・スタジオ」などがあり、今後、人口増加と経済効果が見込める新たな都市である(15年6月11日の大和ハウス工業株式会社ニュースリリースより)。
提供:WCLソリューションズ・フィリピン
ここで紹介できなかったフィリピン経済情報は、 フィリピン経済・金融・投資情報 にてご確認いただけます。