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【ブラジルコラム】日系人が構築した日本のイメージ

時は江戸時代末期、1803年宮城県出身の漁師4名がブラジル南部の海上で、漂流中ロシア軍艦に救助され、サンタカタリーナ州フロリアノポリス市に上陸したのが初の日本人である。

その後1895年に日本とブラジルは通商条約を締結し、今年で120年となり日本国内は勿論、ブラジル側でも多々の修好120年を祝う行事が行われている。秋篠宮両殿下がこの祝事に臨席される為、11月末から二週間訪伯される予定であり、ブラジル側からジルマ大統領の12月の訪日が検討されているとも聞く。

ブラジルは、日本からの移住者を多く受け入れた事で知られている。1908年最初の移住は笠戸丸で158家族、781名がブラジルに渡った。大戦前は、主として農業移住、戦後は技術移住で今日日系人は、約160万人に膨れ上がり世界の中でも日系人が多く住む国である。一世紀以上に亘り日系人が構築した農業技術と野菜の栽培・消費の普及はブラジル人の今日の健康を維持し、社会的且つ栄養学的に貢献し日本人を称賛する言葉「Japonese Garantido(信頼出来る日本人)」がある。

ブラジル大手企業の従業員を対象に、この5月、日本製品、ブランド、日本食嗜好などの調査を実施した。計582名のアンケート調査で、年代は20~40代、日系人又はその血縁関係者は、全体の12パーセントに過ぎないので、多くの声はブラジル人の答えとして理解して良いだろう。そのアンケート内容を以下数例であるがご紹介したい。

1. 好きな日本製品

第一位は自動車・オートバイ、第二位はPC・通信機器、第三位は製菓・スイーツ、第四位はコンピューター・ゲームソフト、第五位は雑貨・インテリア・家具などである。
日本の工業製品の品質・サービス・価格を反映した回答であろうか?製菓・スイーツが上位に入るのが興味深い。

2. 過去に日本製品の購入経験

第一はPC・通信機器、第二位はコンピューター・ゲームソフト、第三位は雑貨・インテリア、第四位は伝統工芸品、第五位は自動車・オートバイの順である。
自分のポケットマネーで簡単に購入出来るものが上位に入り、高額な自動車などは、順位が低い。買いたくても手が届かないと言うことか?

3. 食べてみたい日本料理のメニュー

第一位は寿司・刺身、第二位は天ぷら、第三位はラーメン、第四位はカレーライス、第五位はお弁当、第六位はそば、第七位はお好み焼き、第八位は焼き鳥、世界で急激に普及している寿司、ラーメンなどブラジルでも同じ現象と嗜好であるのが理解出来る。

日伯の修好行事を通じ、更に日本文化、和食の普及などを期待している。


sakai.pngLAPITA専任アドバイザー
酒井 芳彦
(前 味の素株式会社中南米本部長・理事)

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