日本企業グローバルビジネスサポートLAPITA(JTB)

  1. TOP
  2. レポート・コラム
  3. 中国・ロシア・ブラジル
  4. 【中国コラム】アジア徒然草:中国のマラソンブームと企業のマーケティング活動

【中国コラム】アジア徒然草:中国のマラソンブームと企業のマーケティング活動

皆様はじめまして。私は中国(前半:上海、後半:広州)に一年間赴任している研修員でPM2.5と闘いながら、日々走り続け、これまでに3度中国のフルマラソンのレースに出場しました。

陸上競技の中でも、男子競歩50㎞に次ぐ、42.195㎞の長距離を競う種目「マラソン」。
五輪の陸上競技では、男子マラソンがトリを務めるなど、花形種目として世界中の注目を集めています。中国では、2007年のロンドンマラソン女子で周春秀が、2009年の世界陸上競技選手権大会(ベルリン)の女子マラソンで白雪がそれぞれ優勝するなど中国人選手が国際的に活躍するにつれ、若い世代を中心にマラソンに対する関心が高まってきています。それは同時に、健康や美容への意識が高まってきていることを意味し、中国においても「モノ消費」から「コト消費」へ消費の変化が徐々に進んでいることを表しております。

現在、中国では全国各地で40以上のマラソン大会が開催され、年々その数が増えております。日本国内では大小含め1,500以上の大会が開催されていますから、中国でのマラソンはまだまだ発展の余地が十二分に残されております。昨年11月23日(土)に開催された広州マラソンは昨年から新たに開催された大会で今年が2回目。フルマラソン3,500人、ハーフ3,500人、ミニ(5㎞)13,000人の計20,000人が出走しました。エントリーはホームページ上で2回に分けて行われましたが、一瞬のうちに定員に達してしまいました。恐るべし、中国のマラソンブームです。

さて、今年の広州マラソンの冠スポンサーはどこの企業だと思いますか?
フォーチュン・グローバル500でも今年のランキングで8位に入ったトヨタ自動車、その中国での合弁会社「广汽トヨタ」なんです。12/10に発売された若者向けの新型ヤリス(ヴィッツの海外モデル)に広州マラソンの中継車という重要な役割を担わせました。ヤリスは80・90年代生まれの若者のために製造されたコンパクトカーで、彼らが購入できる初のマイカーというコンセプトのもとに、夢を抱く若いランナーの勇敢な走りを中継車として先導、応援しました。マラソンの前後に開催された広州モーターショーでも、ヤリスをはじめとしたコンパクトカーの展示を中心に明るい色使いのステージで若い世代に対して積極的にPRを展開しておりました。

jtblapita_china.jpg

中国では、自動車業界だけでなく様々な業界で主力消費者が若い世代へと徐々に移行し始めています。そのため、各企業が80・90年代生まれの若い世代を引きつけるため、さまざまな革新的なマーケティング活動を開始しており、広州マラソンはその一例ともいえるでしょう。このような観点でマラソンを含むイベントに接することで新たな発見ができるということも実に面白いですね。

以上、私の取りとめのないお話にお付き合いを頂きまして有難うございました。
次回もまた、私の仲間からアジアのどこかのお話を徒然なるままにご案内をさせて頂きますのでよろしくお願い致します。

PAGETOP