日本企業グローバルビジネスサポートLAPITA(JTB)

  1. TOP
  2. レポート・コラム
  3. ASEAN
  4. 【カンボジア・ミャンマーコラム】アジア徒然草:「陸のアジア新興国」の今

【カンボジア・ミャンマーコラム】アジア徒然草:「陸のアジア新興国」の今

皆様はじめまして。私はJTBアジアパシフィック地域本社の駐在員です。

弊社のアジアパシフィック地域とはASEAN地域6か国、オセアニア2か国、それに台湾の9か国を意味し、その地域本社はシンガポールにあります。私はシンガポールを拠点としながら地域9カ国を訪ね歩く事を生業としているわけです。

そんな毎日から感じたこと、面白そうな商売ネタ、メディアでは報道されない現地の姿などを、今後「徒然なるままに」記していきたいと思いますのでお付き合いください。

記念すべき第一回のテーマは「陸のアジア新興国」です。東南アジアは、インドネシアやフィリピン、広義ではマレー半島から繋がるマレーシア、シンガポールのような「海のアジア」と共に、タイやベトナム、ミャンマーほか大陸に位置する「陸のアジア」があります。陸のアジアは中国、インドという2大大国に囲まれる要所にあり、また昨年の
中国との関係悪化から最近加速している「チャイナプラスワン」、また域内随一の工業国であるタイの人材難からこれまた加速している「タイプラスワン」の候補地として注目が高まっています。

そんな中、アジア最後のフロンティアと呼ばれるミャンマーと、現在急速に注目されているカンボジアの2か国を駆け足で訪問してきましたので、その様子をレポートさせて頂きます。

いずれの国にも共通しているのが、とにかく「街が清潔」だということです。東南アジアの一部の国にはゴミ箱が整備されてなくてゴミたまりができていたり、とにかく一目で衛生観念の欠如を感じてしまうことが少なくありませんが、この2か国は質素ながらも整然とした景観を保っています。概して仏教国は街がきれい、と言われるようで、公共心が培われていることを感じさせます。

インフラに関しては、ミャンマーについてはまだまだでしょう。首都ヤンゴンでさえ中心街の一部はまだ未舗装で、雨が降ると大きな水たまりができます。停電もしょっちゅうで、私もあまりに会議中に頻繁に停電になるものですから仕舞にはすっかり暗闇での議論に慣れてしまいました。

カンボジアの首都プノンペンはヤンゴンに比べるとまさに大都市です。舗装された幹線道路の周りには、新しいインテリジェントビルが多く開発されつつあります。ただこのビル建設の多くが韓国系企業によってなされていることは日系企業の進出の出遅れを如実に感じさせる事実です。

ただし、いずれの国も昨今日系企業の進出が急速に進んできました。他アジア諸国に比べて投資進出の条件が緩いこと、外国人労働枠の制限が実質的に無いことなど様々な有利な点も進出促進を後押ししているようです。
進出企業の業態としては、豊富で安価な労働力に対するニーズから製靴や縫製を中心とした軽工業が多いと聞いていました。実際その通りなのでしょうが、現地で聞いて興味深かったのは今後増加するであろう日本人駐在者に向けたサービスアパートやホテル、外食などの日系サービス業の進出が相次いでいるということです。実は私の出張の目的もこれであり、実際にヤンゴンには今年7月より新たなオフィスを開設したのですが、本格的にローカル向け事業展開する前段階として在留日本人をターゲットとした企業の進出は今後も増えていくことでしょう。

取りとめのない散文にお付き合い頂き有難うございました。

次回もまたアジアのどこかのお話を、徒然なるままにご案内させて頂きますのでよろしくお願い致します。

IMG_0343-10.jpg

写真は、カンボジアの首都プノンペンにできたカジノ付き高級エンターテイメント施設「ナガワールド」の外観です。

PAGETOP