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【フィリピン】<洋酒のエンペラドール、事業基盤をさらに拡大>サントリーのスペイン事業買収に続き、メキシコでも

 有力持株会社アライアンス・グローバル・グループ(AGI)傘下の洋酒メーカーであるエンペラドール(EMP)が事業基盤を急ピッチで拡充してきている。


 EMPはスペインでのブランデー一貫製造体制(ブドウ園 経営から醸造まで)を構築するとともに、2014年10月30日に、子会社のエンペラ ドールUKを通じて、有名スコッ チ・ウイスキーであるホワイト・アンド・マッカイ・グループの株式100%買収を完了した。EMPは、ホワイト・アンド・マッカイ・グループの 親会社であるユナイティッド・スピリッツから、ホワイト・アンド・マッカイ・グループ株式100%を4億3,000万ユーロで取得した。


 このような積極策や低価格を武器に、EMPの洋酒販売数量はフィリピン最大で市場シェア50%に達すると見られている。ブランデーの販売数量では世界段トツとなっている。EMPの2013年のブランデー販売数量は3,300万ケー スで、世界第2位のメーカーの3.5倍の規模に達している。また、第2位~第10位の合計販売数量を上回っている。そして、世界上位100社でのシェアは21%(数量ベース)に達している。


 EMPは、今年3月には、サントリーホールディングス(サントリー)のグループ会社であるビームサントリー社(本社:米国イリノイ州ディアフィールド)がスペインで保有するブランデー・シェリー事業を買収した。この案件は、ビームサントリー社が保有していたブランデー・シェリーブランド「Fundador(フンダドール)」、「Harveys(ハーベイ)」、 「Terry(テリー)」、「Tres Cepas(トレス セパス)」および、ビームサントリー社がスペイン・ヘレス市トメジョーゾ市に保有する生産設備などを対象とし、売却価格は2億7,500万ユーロ(約342億円)であった。


 EMPは、このサントリーのスペイン事業買収などにより、スペインに1,500ヘクタールのブドウ農園、世界に4つの蒸留工場、合計約100万平方メートルの生産設備を所有することになり、生産面でも世界最大級のブランデー会社となった。


 さらに、このほど、メキシコのぺルノド・リカルド社から、プレシデンテなどのメキシコ・ブランデー事業、メキシコワイン事業やブドウ園などを買収することで合意した。この買収は、メキシコの競争委員会の承認が前提となるが、実現すれば、EMPの事業基盤は規模的にも、地理的にも一段と拡大することになる(16年12月5日のフィリピン証券取引所回覧06753-2016号などより)。


提供:WCLソリューションズ・フィリピン

 


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