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【JTB海外駐在員コラム】広州編~中国(広州)で感じたこと~

国内外の独自のパートナーシップの構築により日本企業のグローバルビジネスをJTBグループがお手伝いするラピタより、海外に駐在するJTBの社員による現地の最新情報をご提供いたします。

今回は、広州からのコラムをお届けします。


広州について
赴任して3か月が経ちますが、赴任前の印象と実際の生活ではギャップを感じています。ニュースや新聞などを見て、大気汚染や政治的な問題など心配を抱えながら赴任しましたが、空気が汚染されていると感じることはなく、また、気さくであたたかい優しい性格の人々が多いことを実感しています。

私の赴任先の広州は、中国広東省の省都で、上海、北京に次ぐ中国第三の都市です。広東省は日本の約半分の面積に相当し、人口は約1億850万人と非常に規模の大きな省です。在留邦人数は約18,800人で、進出日系企業数は約2,000社にのぼります。

特に規模が大きいのは自動車業界で、日系自動車大手三社が省内に拠点を持っています。自動車部品メーカーなどの関連企業も含めると、自動車業界の最大都市となっています。

また、「食は広州に在り」といわれ、広東料理の中心地でもあります。特に有名なのが、「飲茶」で、朝から点心を食べお茶を飲む習慣があります。私が驚いたのは「机以外の四つ足は何でも食べる、飛行機以外の飛ぶ物は何でも食べる」という言葉です。実際に、犬やネズミなど、日本とは異なる習慣もあると聞きました。日頃の生活を見ていると、決して全員にその習慣があるわけではないようですが、その言葉が広州に広く伝わっています。

言語は広東語が主に話されていますが、ビジネスの上は、共通語である普通語でのやり取りになります。


普及している乗り物について
広州の道路では、圧倒的な台数の自動車が走行していることは、既にご存じかと思いますが、電動自転車の普及にも驚かされます。原動機付自転車に見えるバイクのような乗り物も、電動自転車の一種で、免許なしで運転が可能です。

中国の電動自転車は、日本の電動アシスト自転車とは異なり、自分で漕ぐ必要がありません。法律上ペダルを備えていることが条件になっているようで、一応ペダルは備えつけられているのですが、漕いでいる人は見たことがありません。また、走行ルールもあいまいで信号も特に気にせず、平気で歩道も走行しています。私は実際に、横断歩道を渡ろうとした際、危うく電動自転車と接触しそうになりました。

私が感じたことは、走行ルールが存在しないという実態よりも、電動自転車の普及の速さです。価格帯が低い(2,000元=約4万円程度)ことも理由だとは思いますが、2013年時点で保有台数が2億台を超えているそうです。ガソリンエンジンで走るバイクの場合、大気汚染をさらに悪化させる恐れがありますが、電動自転車ではそれを防げます。近い将来、電気自動車(EV)も早いスピードで普及し、中国の車道を埋め尽くしている景色が想像されます。


スマートフォンの活用方について
日本のLINEのように、中国では微信(WeChat)というSNSが普及していることはよく知られています。赴任してわずか3か月ですが、微信無しでの生活が想像できないくらい必須のコミュニケーションツールになっています。お客様にもよりますが、ビジネスで使用しなければならない場面も存在します。

今回取り上げる話題は、「コミュニケーション」のツールとしてではなく、「支払決済」のツールとしてです。微信支付(WeChat Payment)や支付宝(Alipay)がモバイル決済(非接触型モバイル決済サービス)を開始し、現在では中国のスマホユーザー約8.5億人の約4分の1が利用している規模になりました。

急拡大の理由は、スマートフォン保持者が多いことに加え、バーコードやQRコードでの読み取り式という簡単な決済方法が理由だと考えられます。また、カードの暗証番号入力の手間やカード紛失のリスクを回避できることも消費者の満足につながっていると感じます。

また、タクシーを利用する際にもスマートフォンは欠かせない存在になっています。中国でシェアを誇っている打打出行や、アメリカから参入したUBER(ウーバー)などの配車アプリの利用者が急激に増加しています。出・退勤などの時間帯では、手を挙げてタクシーを止める方法では、なかなかつかまらない実態があります。配車アプリでの決済方法ももちろんモバイル決済です。配車アプリではドライバーとの会話が必要となるため、私はまだ(中国語は勉強中のため)利用したことはありませんが、同僚の中国人社員からはとても便利だと聞いています。


健康ブームについて
中国では、日本よりワークライフバランスが根付いているように感じます。実際に、家族や友だちとの時間を大切にしているのが常日頃見受けられます。その中でも特に、業務終了後に家族や友達と一緒に運動しに出かける会社員をよく見かけます。

公共の運動場や大学のグラウンドなどで様々な種類の運動が行われています。とくに若い世代の人々には、ランニングやバスケットボール、フットサルが人気を集めているように思われます。年配の方々には、卓球やウォーキングが多いと感じます。

油の多い中華料理を毎日食べているからこそ、定期的な運動が欠かせないのだと痛感し、つい運動不足な自身の体のことが心配になります。

また、売れている飲み物にも健康思考を感じることがあります。体内に効く乳酸菌飲料や、低カロリーのニアウォーター(果汁や微炭酸)などの飲み物が販売を伸ばしているとのことです。しかし、日本でよく目にする特別保健用食品(トクホ)のような商品は、中国の店頭で見かけることは少ないです。(中国にも保健食品という称号が存在するのですが。)この分野の商品は、現在の健康ブームの波に乗ることで、拡大の可能性を秘めていると感じます。


※本サイトに掲載のレポートやコラムなどの内容はすべて執筆者の個人的な見解です。

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