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【フィリピン】<6月30日にドゥテルテ新大統領就任式>アキノ政権の正の遺産継承と課題克服期待

 フィリピンの新大統領、ロドリゴ・ドゥテルテ氏の就任式が、6月30日マニラで開催される。

 ドゥテルテ新政権の政策は依然明瞭ではないものが多いし、その過激な発言やダバオ市長時代の強権的なスタイルに対する不安感も小さくない。しかし、その強いリーダーシップへの期待も大きく、現行マクロ政策継続と表明したこともあり、金融市場は新政権を歓迎する動きとなっている。

 アキノ政権は、発足当時にはその実行力などに懐疑的な見方をする向きもあったが、実際には経済面でも非経済面でも安定性を高め、フィリピンに対する評価を過去の「アジアの病人」から「アジアの期待の星」へと大きく好転させたと評価されるようになった。

 アキノ政権発足後6年間のGDP平均成長率は6%超(2015年末時点の移動平均は6.2%)であり、ASEANでもトップクラスの高成長国となっている。2013年には7.2%に達し、その後も6%前後の高い伸びを維持している。この間、経常収支は黒字を継続、財政赤字も縮小傾向をたどり、プライマリーバランスは2015年まで5年連続の黒字を続けている。

 このような安定成長継続、財政収支や国際収支改善、汚職や不正減少などが評価されたことで、国際的有力格付機関によるフィリピンの格付は、2013年に投資適格最低基準(BBB-もしくはBBB-相当)に到達、2014年は一段と上昇し、BBBもしくはBBB相当となり、インドネシアやベトナムよりも高い評価となっている。プリシマ財務長官は世界最高の財務大臣に複数回選出され、テタンコ中央銀行総裁も世界の中央銀行総裁ランキングにおいて、常に最上位のAクラスという評価を受けてきている。

 ドゥテルテ新政権に対しては、アキノ政権のこのような"正の遺産"を引き継ぐとともに、依然課題となっているインフラ整備、貧富の差縮小、治安改善、都市と地方の格差是正などを望む声が高まっている。

提供:WCLソリューションズ・フィリピン

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