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【ブラジルコラム】夢のある国、魅力ある市場(酒井 芳彦)

ブラジルの人口は、2013年2億人を超え世界第5位であり、国連の統計によれば2020年には2億2000万人に達すると言われている。

今までご紹介した執筆は、ブラジルの和食の普及実態、食に対するブラジル人の関心などご紹介しているが、今回は現在のブラジル状況と今後同国への輸出、更に海外事業進出を検討している(する)人たちへの理解を深める内容としたい。

世界の社会情勢、経済情勢はグローバルにそしてスピードが早く動いている。2013年のブラジル経済は、中国の経済減速・資源の需要減もあった事に加え、米国の量的金融緩和政策の影響を受け、投資の引き揚げ、為替の下落、インフレ抑制の為に政府の政策金利の引き揚げなど、今までの経済躍進に歯止めをかける状況となっている。この現象は新興国のインド、インドネシア、トルコなどの国と同じ状況であるが、ブラジルの違う点は、多分野(エネルギー、鉱物、農産物etc)で、世界の需要を賄える資源国であると言う事である。

2013年のGDPは2.19兆ドル(対前年比2.3パーセントの伸び)で世界第7位、このGDP総額は、主要アセアン6ヶ国の総額に匹敵し、更にGDPの額に占める消費額は日本と同じレベルで60パーセント以上の内需規模である。国民一人当たりのGDP額は、US11,000ドルであるので、アセアン主要国の国民一人当たりのGDP額と比較してもそのマーケットの潜在力、消費力、地域的広がりのある有望市場であると言える。

ブラジルは、地理的に日本を中心に考えると地球の裏側で良く解らない国であると良く言われる。確かに最近の海外投資状況を見ると、タイ、インドネシア、ベトナム、フィリピンなどアジアの同胞で、手短な国、近い国への投資が旺盛であるが政治的安定性、テロの無い国、多民族ながら宗教の争いが無い、社会制度が整っている、社会インフラが完備している、欧米諸国の投資と事業推進が昔から継続して大規模で行われている点が確かな証であり、安心して貿易促進、海外進出出来る状況にある。他中南米諸国、カリブ、或いはアフリカへの展開もブラジルで会得した事業経験、ブランド普及、ノウハウを生かして縦・横展開出来る立地にある。

消費財で述べると、ビール、化粧品が世界第3位、自動車の販売は世界4位、化学品が世界6位、携帯電話(アイフォン含む)の普及は日本が一人当たり1台に対し、ブラジルは1.2台の普及であるので、如何に内需が大きく、旺盛な消費実態であるかご理解頂けるだろう。

海外への新規投資は、企業トップの判断が一番大切である。事業は人・物・金と良く言われるがこれらを良く判断し、海外に進出したら未来永劫事業を継続する確信と、途中で安易に引き上げない覚悟が必要である。ポテンシャルの大きなブラジル市場は、世界で負けないと自負する自社技術・システム、サービス産業の隙間分野を狙った投資、農業分野への日本技術の促進、二桁持続成長している外食産業への投資など、中小企業がまだまだ海外展開出来る分野が多く、市場攻略戦略を先ず考えてプロジェクト立ち上げに繋げて頂きたい。

LAPITAでは、皆さんからのご相談をお待ちしております。


sakai.pngLAPITA専任アドバイザー
酒井 芳彦
(前 味の素株式会社中南米本部長・理事)

 

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